賃貸物件、仲介手数料は半月分?1カ月分? なぜ混在
弁護士 志賀剛一

眠れぬ人の法律クリニック
不動産
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2020/2/20 3:00
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写真はイメージ=PIXTA

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Case:74 子どもが東京の大学に合格し、一人暮らしをすることになったので、賃貸マンションを探しています。最近、部屋を借りる場合に仲介業者に払う手数料は0.5カ月分でよいという判例が出たそうですが、いま依頼している業者は手数料は1カ月だと言っています。どちらが正しいのでしょうか。

■宅建業法で上限額を規定

合格おめでとうございます。いろいろ物入りでしょうから、親御さんとしてはできるだけ費用を抑えたいところでしょうが、仲介手数料はどうなのでしょうか。

賃貸アパートやマンションを探すとき、だいたい皆さん、不動産業者(仲介業者)を利用されると思います(最近はインターネットを利用する人も多いかもしれません)。宅地や建物の売買や貸借の仲介などをするには、宅地建物取引業法(宅建業法)に基づき国土交通相または都道府県知事の免許を受ける必要があり、賃貸アパートやマンションの仲介を扱う業者も宅建業法の適用を受けます。

そして、仲介手数料については宅建業法で「国交相の定めるところによる」と規定され、国交省のホームページに記載されている旧建設省の告示によれば、概略(1)仲介業者が建物の貸借の仲介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、建物の賃料1カ月分に相当する金額以内とすること(2)仲介業者が居住の用に供する建物の賃貸借の仲介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、依頼者の承諾を得ている場合を除き、賃料の1カ月分の2分の1に相当する金額以内とすること――が定められています。

わかりやすく整理すると、仲介業者が受け取ることができる報酬額の上限は、貸主から賃料の0.5カ月分、借り手から賃料の0.5カ月分を受領することが原則であり、どちらかの依頼者の承諾がある場合はいずれか一方から賃料の1カ月分以内を受けることができる。ただし、この場合も双方から受ける報酬の合計額の上限は賃料の1カ月分になります。その額を超えて報酬を受け取ることは、宅建業法で禁止されています。

■「原則」と「例外」が逆転

私も過去に賃貸物件を借りた際、当たり前のように仲介業者に賃料1カ月分相当額を手数料として支払った記憶があります。知らない人が多いのですが、前述のとおり居住用物件の賃貸の仲介手数料は原則が賃料の0.5カ月分で、例外的に依頼者(多くの場合、借り手になると思います)の承諾があれば、賃料の1カ月分を受領することができるのです。

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