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オフィス家具を我が家でも 長い在宅勤務の疲れ軽く

NIKKEI MJ

家庭で高機能なオフィス向け家具を購入する人が増えている。働き方改革の一環で在宅勤務が浸透し、家庭でも長時間のデスクワークをする機会が増えたことが背景にある。首都圏では東京五輪期間中の交通規制に備えたテレワークが推奨されており、自宅での働く環境を改善する動きは広がりそうだ。

イトーキの「UBIQ」は立ちながらパソコンを使いやすい

東京大学に勤める吉田涼子さん(45)はイトーキが販売する持ち運び可能なワーキングデスク「UBIQ(ユビック)」を家庭で使っている。これまで自宅ではリビングのローテーブルを使っていた。「首の痛みが気になるようになり、家具を見直そうと思った」と、立った姿勢でパソコン仕事もできるユビックを購入した。

ユビックは高さ38センチから90センチまでの3種類がある。吉田さんは3つとも所有しており、「デスクを変えると姿勢が変わるので気分転換にもなり集中できる」と話す。「首の痛みも気にならなくなった」という。

吉田さんは大学で産官学の連携をコーディネートしている。ユビックの開発でイトーキと消費者の声をつなげる役割を担ったが、製品を実際に使ったことがなかった。

イトーキは、eスポーツの選手向けの椅子「ゲーミングチェア」のデザインを基に開発したデスクチェアも販売している。長時間座っても疲れないよう、腰や首もとに可動式のまくらと腰当てが付いている。

他社も家庭向け販売に力を入れている。コクヨは座面が前後左右に揺れるデスクチェア「イング」をインターネットで個人向けにも販売。パソコンに向かい前傾姿勢になっているときには座面が前に傾き、首や腰への負担を和らげる。左右にも揺れるためバランスボールに座っているような感覚になる。「適度に体を動かすことで集中力が高まる」(同社)という。オカムラや内田洋行は天板が上下に昇降させられ、自分の体格に合った高さに調節できるデスクを家庭向けにも販売している。

コクヨの「イング」は座面が揺れて首や腰への負担を緩和

日本経済新聞社が全国約700社に聞いた調査によると、在宅勤務を取り入れている企業は2019年に5割を超えた。一方、一般的な家庭用家具は仕事をする姿勢で長時間座ることを想定しておらず、デスクワーク向けの家具を家庭で使うニーズが生まれている。

実際、各社の足元での販売は好調だ。高機能なオフィス家具は通常の椅子やテーブルに比べ価格は高いが、イトーキは個人客の利用が中心となる通販サイトでの販売額が、前年比較できる製品群だけで19年度に47%増。コクヨも19年末の個人向けオフィスチェアの販売額が15年比2.5倍になった。

今後、テレワークへの関心はさらに高まりそうだ。大きなきっかけは今夏の東京五輪・パラリンピックだ。首都圏では開催期間中の交通規制や外国人旅行者の急増で道路や交通機関の混雑が予想されている。出勤しにくくなると見越し、テレワークや在宅勤務が推奨されている。新型肺炎の流行で在宅勤務を取り入れる企業も増えている。

これまでは子育てや介護などの事情がある人が在宅勤務の対象だったが、特別な理由がなくても認める企業も増えている。在宅勤務の裾野が広がれば、さらに仕事用の高機能な家具へのニーズは高まりそうだ。

(桜井豪)

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