「シニア世代を幸せに」友田氏(IFAの流儀) - 日本経済新聞
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「シニア世代を幸せに」友田氏(IFAの流儀)

個人の資産形成への関心が高まるなかで、中立的な立場から助言をする独立系金融アドバイザー(IFA)に対する期待が強まっている。シニア世代に特化してアドバイスをしているアンバー・アセット・マネジメント(東京・千代田)の友田行洋氏に話を聞いた。

――IFAとして独立したきっかけを教えてください。

「新卒で入社した証券会社でリテール営業を担当しましたが、そこで疑問を感じることがいくつかありました。ひとつは転勤が多く、お客様と長期的な信頼関係を築くのが難しいこと。私の場合は初めての転勤がリーマン・ショック直後と重なり、不安になっているお客様を置き去りにするようで申し訳ない気持ちでいっぱいでした。もうひとつはノルマに縛られること。自分の家族になら勧めたくないような商品でも、営業目標をこなすために販売する日々が精神的にきつくなりました」

「こうした経験を通して、お客様の悩みや期待に十分応えられる仕組みをつくりたいという気持ちがどんどん強くなりました。一貫して責任のあるアドバイスをしたい、中立的な立場から本当にいいと思える商品だけを勧めたいと考え、自分でIFAの会社を立ち上げることにしました」

――御社の強みは。

「顧客層を60代から80代に絞り込むことで、シニア世代特有のニーズを把握し、相談の実例やアドバイスのノウハウを蓄積してサービスに生かしています。また、証券アナリストの資格をもつ社員が多く在籍しているのも特徴のひとつです。証券分析までできる金融のプロがお客様に適した商品を選び、専門家の視点から保有資産の見直しなどを助言するIFAの会社はそれほど多くありません」

――どのような相談が多いですか。

「金融機関に勧められて買った商品が本当にいいものかどうか不安を感じ、セカンドオピニオンを求めて相談に来られる方が多いです。私たちは特定の金融機関とは離れた立場にいるので、お持ちの商品について中立的な視点からアドバイスすることができます。メリットだけでなく、デメリットも包み隠さず説明しています」

「シニア世代ならではの悩みは『お金を減らしたくない』『年金以外で自由に使えるお金を運用益から得たい』などです。さらに『自分がどれくらいお金を使えるか知りたい』といった要望もあるので、お客様のライフスタイルや趣味、家族構成などをヒアリングしながら、『お金の見える化』をお手伝いします。資産の取り崩しには、運用を継続しながら必要な金額だけ一部解約で定期的に受け取れるサービスをご案内しています」

――独立して良かったことは。

「本当にいいと思える商品だけを提案できるようになったことと、自分を信頼してくださるお客様と長くお付き合いできることです。お客様の悩みを解消し、安心と幸せに貢献できるのは何よりの喜びです。お客様からの感謝の言葉が励みになっていて、大手証券などから転職してきた社員のみんなが心から仕事を楽しんでいることも経営者としてやりがいを感じています」

友田行洋氏
アンバー・アセット・マネジメント社長。東京理科大学卒業後、大手証券に入社。2014年2月にアンバー・アセット・マネジメント設立。日本証券アナリスト協会検定会員。

(QUICK資産運用研究所 竹川睦)

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