宇都宮の事業所、伝統の「刺し子」で障害者の自立支援

2020/2/16 17:46
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宇都宮市の事業所で、障害者が伝統的な刺しゅう技法「刺し子」で作った小物をブランド化する取り組みが進んでいる。コースターやアクセサリーなどの商品は、全てが作り手の自由な発想から生まれた一点物。「人々の心を豊かにする商品を作ることで、障害者の生活も豊かになる」との思いで、新たな形での自立支援を目指す。

販売会で「刺し子」の商品を手に笑顔を見せる事業所利用者の深谷里美さん(左)ら(7日、宇都宮市)=共同

事業所の運営会社は2015年、福祉関係者やキャンドルアーティスト、服作家など異業種のスタッフが集まって設立。「福祉の未来に明かりをともす」との思いを込めて「TOMOS company(トモスカンパニー)」と名付けた。

数百年の伝統を持つ刺し子は、素朴な風合いが特徴。デザインからタグ付けまで事業所で手掛け、商品としての完成度を高める。一針一針に作り手の思いを込めたブローチやバッグは、写真共有アプリ「インスタグラム」でも人気を集める。

宇都宮市の住宅地にある事業所には軽快なBGMが流れ、カフェのような雰囲気。利用者は、それぞれの得意分野を生かして作業を分担する。スタッフの山中知博さん(38)は「自ら考えて作った物を売る『仕事のリアリティー』を感じて、働くことの楽しさや責任を知ってほしい」と話す。

2月7日に開かれた販売会では、売れ筋のコースターを中心に、色とりどりの商品が並んだ。接客を担当した利用者の深谷里美さん(45)は「もともと手芸は好きだけど、刺し子は難しい。買ってもらえるとうれしい半面、手放すのが惜しくなる」と笑顔を見せた。

運営会社は雑貨店やイベントでの販売のほか、展示会への出品、海外展開も視野に入れる。山中さんは「福祉は閉鎖的になりがちだが、アイデア次第で挑戦できることはたくさんある。就労支援に甘んじることなく、商品価値を高めて販路を広げたい」と力を込めた。

〔共同〕

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