平和条約交渉、茂木氏「実りある年に」 日ロ外相会談

2020/2/16 4:21
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握手する茂木外相(右)とラブロフ外相(15日、ミュンヘン)=外務省提供

握手する茂木外相(右)とラブロフ外相(15日、ミュンヘン)=外務省提供

【ミュンヘン=佐堀万梨映】ドイツを訪問中の茂木敏充外相は15日夕(日本時間16日未明)、ロシアのラブロフ外相と約50分間会談した。北方領土問題を含む平和条約交渉を巡り、速やかな次官級協議の開催と、ラブロフ氏の早期訪日を調整する方針で一致した。日本は各レベルでの協議を重ねて進展を図り、安倍晋三首相が検討している5月の訪ロにつなげる。

茂木氏は会談で「日ロ間の協議、協力は着実に進んでいる」と述べた。「本年を実りある年とすべく平和条約締結問題を含む2国間問題について引き続き率直に議論したい」と呼びかけた。

会談後、茂木氏は記者団に「フェーズは変わってきている。原則論を互いに戦わすといったことではなく、より前向きな話し合いに入っている」と説明。「基本的な立場の違いを埋めていくための共同作業を進め、協議を進展させていきたい」と述べた。ラブロフ氏の訪日は茂木氏から提案した。

プーチン大統領は1月に憲法改正の関連法案を下院に提出し、早期の成立を目指している。13日には、有識者による憲法改正グループが出した改憲案に領土割譲の禁止条項を盛り込む提案を支持する考えを示した。日本では北方領土交渉への影響を懸念する声が出ている。会談では、ロシアの改憲を巡る動きを踏まえて平和条約交渉の意見を交わしたとみられる。

両国の信頼醸成のため、北方領土での共同経済活動についても協議した。観光パイロットツアーの開催などの実績をふまえ、海面養殖などの分野での進展を目指す。

日ロは2018年秋の首脳会談で、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約締結交渉を加速する方針で合意した。両外相は交渉担当者を務め、双方が受け入れ可能な解決策を模索するため、今後も対話を継続する。

茂木氏は19年9月の外相就任以来、ラブロフ氏と約5カ月で4回目の会談だ。19年12月にはモスクワを訪れ、非公式なものも含め計8時間話し合った。今回の会談から間を置かずラブロフ氏の訪日を実現して、交渉の間合いを詰めたい考えだ。

安倍首相は5月にロシアが開く第2次世界大戦の戦勝75周年記念式典にあわせた訪ロでの首脳会談を検討している。茂木氏によると、15日の外相会談で首相の訪ロは話題にならなかった。

首相とプーチン大統領の会談が実現すれば、19年9月のロシア・ウラジオストク以来となる。日本政府は北方領土問題を含めた平和条約交渉の進展には首脳同士の力が欠かせないとみる。首相の訪ロに続いて、年内のプーチン氏来日の実現を狙う。

プーチン氏は国内支持を保つため、内政重視の姿勢を強めている。1月、メドベージェフ内閣が総辞職し、プーチン氏が新たな閣僚を任命した。ラブロフ外相は留任したが、首相がミシュスチン氏に交代した。日ロ間の経済協力を話し合っていたオレシキン経済発展相も退任した。経済閣僚を軒並み交代させて低迷する経済を安定させる姿勢をみせてきた。改憲案の議論も大統領任期を終える24年以降をにらんだ動きとみられている。

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