出光興産、4~12月期45%減益
原油安響く、通期業績下押しも
出光興産が14日発表した2019年4~12月期の連結決算は純利益が649億円だった。19年4月に経営統合した昭和シェル石油との2社合算ベースの前年同期と比べると45%減となる。海外製油所の稼働率が低下し、石油化学製品の採算も悪化した。新型肺炎への警戒から原油価格が急落しており、現在の価格が続いた場合、石油元売り大手合計で400億円ほど通期の営業利益を押し下げる要因となりそうだ。
出光の売上高は4兆5606億円と12%減少。営業損益と持ち分法投資損益を合わせた本業ベースでの利益は875億円と57%減った。
ベトナムのニソン製油所で装置トラブルが発生し、修繕工事などで稼働率が低下した。石化製品やスマートフォン向け高機能材は中国で販売が落ち込んだ。太陽光パネル事業ではコスト削減を進めたが、補えなかった。
これで石油元売り大手3社の決算が出そろった。20年3月期の通期業績予想はJXTGホールディングスと出光興産が据え置いたものの、先行きへの警戒感は強い。
中東産ドバイ原油は足元で1バレル55ドル前後まで下落し、出光興産の想定レート(1バレル60ドル)を約5ドル下回る。現在の相場が続いた場合、備蓄する石油の在庫評価引き下げなどで営業利益を40億~50億円押し下げる要因となる。JXTGも営業利益が340億円減る見込みだ。
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