かんぽ新規契約52%減 昨年4~12月、不適切販売受け
かんぽ生命保険は14日、2019年4~12月の新規契約が前年同期比52%減の63万件だったと発表した。不適切販売問題を受けて19年7月から営業を止めていることが響いた。顧客が自発的に求めれば契約は可能だが、営業再開のめどは立っておらず、影響はさらに深刻になる。
19年4~12月に獲得した新契約の年換算保険料は1438億円と47%減った。同じくかんぽ問題の対応を優先するため郵便局での販売を止めているゆうちょ銀行の投資信託も同期間の販売額が5626億円と20%減った。親会社の日本郵政の浅井智範執行役は14日の記者会見で「危機意識を持っている」と述べた。
かんぽは同日発表した19年4~12月期の連結決算で、不適切販売の顧客調査の費用として60億円を計上した。不利益を与えた顧客に対する保険料の返金などの費用として40億円の引当金を計上した。日本郵便もかんぽ問題の調査などで追加の人件費が40億円発生した。
かんぽの同期間の連結純利益は1150億円と前年同期比19%増えた。保険の契約初年度は販売手数料がかさむため、新契約の落ち込みによる費用減少で一時的に利益がかさ上げされた。中長期的には保有契約の減少で利益が目減りする。郵政の同期間の連結純利益は8%増の4220億円、ゆうちょ銀行は3%増の2100億円だった。
郵政は14日、米保険大手アフラック・インコーポレーテッドの株式の7%程度を13日までに取得したと発表した。同社株は4年間持つと議決権が増える。議決権比率が20%以上になった段階で持ち分法適用会社とする。