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業績ニュース

東芝再建、半導体なお重荷 中計目標「必達」に暗雲

2020/2/14 20:30
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決算について説明する平田CFO(14日、東京都港区)

決算について説明する平田CFO(14日、東京都港区)

東芝の経営再建で半導体事業が重荷になっている。14日に発表した2019年4~12月期の連結決算はインフラ部門などがけん引して営業利益が前年同期の約8倍になったが、システムLSIなど成長領域に集中したはずの半導体は受注不振で減益。東芝にとって中期経営計画の初年度である今期の業績目標は「必達」なのに、半導体の4回目の下方修正で余裕がなくなった。

同日発表した4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期に比べて7%減の2兆4585億円だった。不採算のパソコン事業の売却など構造改革を進めたためだ。米液化天然ガス(LNG)事業の売却損などで最終損益は1456億円の赤字(前年同期は1兆216億円の黒字)だった。

営業利益は7.6倍の625億円だった。インフラやエネルギーの部門で採算重視の受注を徹底した効果が出た。午後1時15分の決算発表直後、東芝株は一時、前日比4%高まで買われた。

ただし、主要部門ごとにとりまとめた中期経営計画と見比べると、再建が安定軌道に乗ったとは言いがたい。

最大の懸念は半導体を含むデバイス部門の営業利益が5%減の127億円にとどまったことだ。

東芝は18年、市況の波に左右されやすい子会社、東芝メモリ(現キオクシアホールディングス)の株式の過半を売却。本体は多数の回路を一つのチップに集約した車載向けシステムLSIなどで成長するシナリオを描いている。

もっとも、システムLSI事業は競争環境が厳しく、株式市場では「独自性のある領域を開拓しないと利益は上げられない」(アナリスト)との見方がくすぶってきた。

東芝の今期の営業利益の見通しは前期比3.9倍の1400億円で、車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)はかねて「必達目標」と公言してきた。想定外の事態が発生しても中計が揺るがないよう、当初から300億円の余裕分を「バッファー」として含めていた。

半導体の不振は必達目標を危うくする可能性がある。この日の決算ではデバイス部門の今期の営業利益見通しを360億円から290億円に引き下げた。中計を策定した18年11月以降、同部門の下方修正は4回目で、利益水準は半減。昨年11月時点で110億円を残していたバッファーは、ついに底をついた。

先行きは楽観できない。半導体事業は400人強の早期退職の費用や市況悪化で計画通りの利益が出ない状況が続く。同日記者会見した平田政善・最高財務責任者(CFO)は「中国市況の低迷が長引いている」と説明した。

新型肺炎も足を引っ張りそうだ。平田CFOは会見で2~3月の中国向け売上高見通しを1000億円とし、うち5~6割がデバイス部門だと明かした。「多少の下振れリスクはある」と認め、「経費削減をさらに進める」と述べた。

東芝は主力の水道など社会インフラの案件は年度末に集中するため、1~3月期に利益計上が偏りやすい。この四半期だけで775億円の営業利益を積み上げれば1400億円の必達目標に届くものの、その確度は下がっている。

東芝は株主の7割近くが海外投資家だ。三井住友銀行副頭取などを経て18年に就任した車谷会長は「経営手腕が未知数」と警戒され、同年の株主総会で賛成比率が63%にとどまった経緯がある。

19年6月に発足した新経営体制では取締役12人のうち10人を社外取締役として賛成比率が99%まで上がったが、仮に「必達」の目標が未達になれば車谷会長の求心力に陰りが出かねない。

5年間の中計の最終目標はさらに高く、「売上高で4兆円、営業利益率で8%以上」だ。今期は目標を達成しても営業利益率は4%余り。「変革とさらなる成長」を掲げている中計は、早くも難所に差し掛かっている。(野口和弘、広井洋一郎)

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