豪州、火災の次は豪雨 相次ぐ災害が経済リスクに

2020/2/14 17:43
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【シドニー=松本史】2019年11月から大規模な森林火災が続いていたオーストラリアが、一転して記録的な豪雨に見舞われている。シドニーがある豪東部ニューサウスウェールズ(NSW)州では豪雨も手伝い大半の森林火災が鎮火した一方、2月14日時点で豪気象庁は複数の地域に豪雨による洪水警報を発令している。度重なる自然災害は中国発の新型コロナウイルスによる肺炎のまん延とともに豪経済の重荷となりそうだ。

豪雨で浸水した運動場(13日、豪北東部クイーンズランド州)=AAP

「疲労と心配を引き起こした今回の森林火災のシーズン中で初めて、全ての火災を制圧した」。13日、NSW州消防当局はこう発表した。消火活動に役だったのが、7日から10日にかけての豪雨だ。シドニーの降水量は4日間で391.6ミリとなり、1990年以来の記録となった。暴風を伴う豪雨がやんだ後も降雨は続き、鎮火につながった。ただ、13日朝までの24時間で降水量が100ミリを超える地域も出ており、気象庁は注意を呼び掛けている。

NSW州など豪東部は長く干ばつに見舞われていたが、豪雨は干ばつをも解消する勢いだ。シドニー都市圏に水を供給するダムの平均貯水率は14日現在で77.5%と、1週間で35.7ポイント上昇、一部のダムは100%に達している。

北東部クイーンズランド州でも、観光地サンシャインコーストで13日にかけて1日で200ミリ以上の降水を記録するなど、2月の月間平均降水量(190ミリ)を上回り、複数の地域で洪水警報が出ている。同州は農業や資源産業が盛んだ。洪水などで道路や鉄道など輸送網が寸断されれば経済への影響は避けられない。

豪州では観光のピークにあたる12月から1月にかけて森林火災が深刻化し、観光業が打撃を受けた。消費者心理の冷え込みもあり、森林火災が2019年度(19年7月~20年6月)の国内総生産(GDP)を0.4ポイント押し下げるとの予想もある。

中国で発生した新型肺炎のまん延も豪経済の大きなリスク要因となりつつある。豪政府が感染拡大防止の一環で、中国本土からの外国人の入国を認めない方針を打ち出したことで、観光や教育産業への影響は拡大している。スイスの金融大手UBSは20年1~3月期の豪州のGDPは前期比0.1%減とマイナス成長になると予測する。

豪州は19年7~9月期まで一般的な景気後退の定義とされる「2四半期連続のマイナス成長」を経験していない期間が113四半期連続と世界最長を記録している。ただ相次ぐ自然災害と新型肺炎は豪経済へのダブルパンチとなり不確実性を高めている。

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