ロシア、領土割譲禁止の改憲案 プーチン大統領が支持

2020/2/14 1:42
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13日、モスクワで憲法改正準備作業グループとの会合で発言するプーチン・ロシア大統領=AP

13日、モスクワで憲法改正準備作業グループとの会合で発言するプーチン・ロシア大統領=AP

【モスクワ=石川陽平】ロシアが準備中の憲法の改正案に自国領土の割譲を禁じる条項を盛り込むことを検討する。プーチン大統領は13日、有識者がつくるロシア憲法改正準備作業グループから出された、領土割譲の禁止条項を改憲案に盛り込む提案を支持する考えを示した。この改憲案が実現すれば、日ロ間の懸案である北方領土問題の解決を一段と難しくする可能性がある。

プーチン大統領は1月15日の年次教書演説で、下院の権限強化などを柱とする改憲案を提案した。演説では領土割譲の禁止には触れなかった。ロシアの通信社各社によると、領土割譲を禁じる条項は、2月13日の大統領と憲法改正準備作業グループの会合で、同グループのメンバーの有名な俳優から提案された。

この俳優は会合で、外国の政治専門家から出ている発言だと指摘しながら、プーチン大統領が退任して次の大統領になれば「例えば、クリール諸島を取る可能性の窓が開かれ、誰かがクリミアの領土を要求し、カリーニングラードに注目しさえする」と述べた。クリール諸島は、北方領土を指している。

この提案に対して、プーチン氏は「アイデア自体は私も気に入っている」と指摘し、「法律の専門家に指示し、これを適切な形で表現するように依頼しよう」と語った。改憲案に領土割譲の禁止条項を盛り込むことを基本的に支持した発言だと報じられている。

プーチン大統領は2024年の任期切れに伴い、退任する予定だ。年次教書演説で提案した下院の権限強化などはプーチン氏が退任後も権力を維持する「院政」をにらみ、権力構造を変える布石とみられている。ロシアでは現在、大統領の提案を受けて様々な改憲案が検討されており、議会での議論後、4月中にも国民投票にかけられる。

プーチン氏は円滑な体制移行を進めるため、政権に対する国民の支持を高める必要がある。領土割譲を禁止する条項も、愛国心に訴え、求心力を高める効果があるとみなしている可能性がある。領土割譲の禁止条項が上下院を通過すれば、実際に改憲案の一項目として盛り込まれる公算が大きくなる。

安倍晋三首相は18年のプーチン大統領との会談で、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を進めることで合意した。日ソ共同宣言には、平和条約締結後に(北方四島のうち)歯舞群島および色丹島を日本に引き渡すことが明記されている。

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