虐待防止などの配分厚く 大阪市の20年度予算案

2020/2/13 20:45
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大阪市予算案について説明する松井一郎大阪市長(13日、大阪市役所)

大阪市予算案について説明する松井一郎大阪市長(13日、大阪市役所)

大阪市が13日に発表した2020年度予算案は、虐待防止など子ども関連の施策に厚く配分する内容となった。大阪市は政令指定都市のなかで2番目に児童虐待の相談件数が多い。市は児童相談所(こども相談センター)を増設して虐待の早期発見や保護の体制を強化するほか、若い世代の親が悩みを打ち明けやすいようSNS(交流サイト)窓口を設置する。外国にルーツを持つ児童の学習支援にも力を入れる。(高橋彩)

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市は「重大な児童虐待ゼロ」を目指しており、児童虐待防止に前年度より23億円多い25億800万円を計上する。このうち21年度開設予定の市内3カ所目となる児相の建設費用が17億1600万円を占める。4カ所目となる児相の建物規模に関する調査費用(400万円)も盛り込んだ。26年度の開設を目指す。

背景には児童虐待相談などの増加がある。大阪市内の児相に18年度に寄せられた相談は6316件で5年前の2倍。政令指定都市で最多の横浜市(6403件)とほぼ同水準で、3位の名古屋市(3394件)を大きく上回る。

市は親や子ども本人がSNSで相談できる窓口の設置に新規で1200万円を充てる。これまで電話やメールで相談を受け付けていたが、担当者は「若い世代が使い慣れているSNSを活用することで、虐待の芽を早めに見つけて対応したい」と話す。20年7月から1カ月ほど試行し、21年度から本格運用する。

待機児童解消の目標に取り組むなか、保育施設の拡充も課題だ。市によると、保育施設の増設などで19年4月の待機児童は28人と、17年の1割以下になった。一方、保育士離職率(17年)は13.2%で、全国平均(10.3%)を上回る。担当者は「保育士の人材不足は深刻な状態が続いている。人手不足で労働環境が悪化し離職するケースも多い」と指摘する。

市は保育所の整備や保育士の人材確保費用などに105億5700万円を計上。配置基準を1~2人超えて保育士を雇用する場合、新たに1人あたり年間294万円まで人件費を補助する。20年度には1620人の採用が必要と見込まれ、担当者は「事業者に積極的な採用を促したい」と話す。

大阪市内では、外国籍の児童・生徒数が19年時点で3500人に上り、全小中学生の2%を占める。担当者は「日本語が不自由だと学力向上が難しい。周囲から孤立し不登校になるケースも珍しくない」と話す。

日本語の学習支援を強化するため、新規で計1億7400万円を投じて、大阪市内の小中学校に支援拠点を4カ所設置する。日本語指導の資格を持つ指導員ら200人を配置。帰国・来日から間もない児童・生徒向けのプレスクールを開いて、言語や文化の違いに悩む子どもを支援する。

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