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業績ニュース

楽天、8年ぶり最終赤字 米リフト減損響く
携帯投資重く、金融は増益

企業決算
2020/2/13 19:30
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記者会見する楽天の三木谷浩史会長兼社長(13日、東京都世田谷区)

記者会見する楽天の三木谷浩史会長兼社長(13日、東京都世田谷区)

楽天が13日発表した2019年12月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が318億円の赤字(前の期は1422億円の黒字)となり、8年ぶりの最終赤字に転落した。投資先の米ライドシェア大手リフトに関連して減損損失を計上したほか、携帯電話事業への先行投資も重荷となった。主力の国内電子商取引(EC)は2桁増収だが、利益は頭打ち傾向。送料込みの価格表示を急ぐ背景には、ECの成長鈍化への危機感がある。

最終赤字は消費者金融事業の売却損失が出た11年12月期以来。売上高に相当する売上収益は前の期比15%増の1兆2639億円、営業利益は57%減の727億円だった。携帯事業で基地局などの先行投資がかさみ、利益を押し下げた。20年12月期の連結業績予想は公表していない。

国内EC事業で重要指標と位置づける流通総額は3兆9千億円と前の期比13%増え、手数料など売り上げも伸びた一方で、同事業の営業利益は514億円と前の期に比べて11%減った。四半期ベースでみても前年同期比で利益は頭打ち傾向で、物流への先行投資が重荷になっている。自社物流網の整備に10年で2000億円を投じる方針で、倉庫や配送センターへの大型投資を行っている。

ECではアマゾンジャパン(東京・目黒)やヤフーとの競争が激しい。アマゾンの日本事業の売上高は年間15%前後伸びており、ヤフーも新たな通販サイト「ペイペイモール」で追撃を図る。シェアを奪われることへの楽天の危機感は強い。

同日記者会見した三木谷浩史会長兼社長は「(米EC大手の)イーベイなどが衰退しているなか、楽天は頑張っている」としたうえで、「地方の小さな店舗でもアマゾンに対抗できるよう応援したい」と強調。対抗していくためには、顧客の利便性向上につながる送料込みの価格表示が欠かせないと改めて訴えた。

モバイル事業の営業損益は600億円の赤字(前の期は136億円の赤字)で、大幅に赤字が拡大した。三木谷会長は「日本企業は最終利益ばかりを気にして成長しないという面があった。楽天モバイルにはすさまじい可能性がある」と述べ、積極投資を続ける考えを示した。また、4月に予定するサービスの本格開始に先だって、料金プランを3月3日に発表すると明らかにした。

金融事業の営業利益は前の期比2%増の693億円だった。クレジットカード「楽天カード」はショッピングの取扱高が27%増の9兆5000億円、会員数は1月に1900万人を超えた。毎月の支払額がほぼ一定になる「リボ払い」の残高も増えて収益に貢献した。

楽天は携帯事業でシェアを高め、ECとの相乗効果を発揮することを狙う。しかし、携帯のサービス開始が遅れたことに加え、送料問題を巡って一部の出店者との対立が深刻化するなど、足元の状況は日に日に厳しさを増している。送料問題を契機に国内ECの成長が止まれば、物流や携帯への大型投資が空振りに終わるリスクもある。

株価は昨年6月の高値から3割安い水準にとどまり、同じ期間に日経平均株価が約1割上昇しているのと比べて見劣りする。海外の投資先の株価動向次第で業績も振れやすくなっており、投資家の先行きへの警戒感を映している。(斎藤正弘)

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