楽天・三木谷氏「優越的地位の乱用でない」送料問題で

楽天は13日、2019年12月期の決算説明会を東京都内で開いた。三木谷浩史会長兼社長は、ネット通販サイト「楽天市場」で一定額以上を購入すると、3月18日から送料を無料とする方針について「誤解を招く」として、送料込みという表現に改める考えを示した。4月に商用サービスを始める携帯電話事業については「わかりやすい料金設定にしたい」と語った。主なやり取りは次の通り。
――「送料無料」を「送料込み」という表現に変更した理由は。
「送料を巡る報道の中で、(楽天市場に出店する)店舗側が価格を調整できずにコストが上がるという誤解があった。店舗に対しては、中長期で大きな損失が出ないように小売価格を調整していいということを周知徹底したい。『送料無料』の方が利用者には響きがいいが、誤解のないようにする」
――送料を巡って公正取引委員会から立ち入り検査を受けたことの受け止めは。
「船が浮かんでいて、その上に乗っている店舗が、強烈に激化する競争の荒波を乗り切るにはこれしかないと思ってやっている。公取委にもその辺を理解してほしい。本当に大変な店舗がいるとしたら、何ができるかを初心に戻って考えたい」
――送料の仕組み変更を予定通り3月18日に始める理由は。
「何万店が準備をしている。いまさら戻されても困るという声も非常に多い。価格を我々の裁量でコントロールしているつもりもない。店舗で価格を調整してもらうので、優越的地位の乱用にも当たらないと考えている」
――4月に商用サービスを始める携帯電話の料金をどうするか。
「料金については(発表までの)お楽しみということで。ただ、日本の携帯料金が高いだけでなく、データ使用量も先進国では少ない。わかりやすい料金設定にしたい」
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