うつ乗り越え走り続ける 静岡のプロロードレーサー

2020/2/13 11:50
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東京五輪・パラリンピックで自転車競技が行われる静岡県に2019年12月、自転車ロードレースのプロチーム「レバンテフジ静岡」が誕生した。主将を務めるのは静岡市出身でプロ16年目の佐野淳哉さん(38)。うつに苦しみ競技を諦めかけた時期もあったが、故郷のチームで「五輪後にもつながる活動をしていきたい」と走り続ける。

日本平で自転車ロードレースの練習に臨む「レバンテフジ静岡」主将の佐野淳哉さん=静岡市、共同

ロードバイクという競技用自転車に乗って公道で競う自転車ロードレース。佐野さんは進学先の埼玉大で愛好会に入り、競技にのめり込む。レースで優勝を重ね、プロの目に留まった。卒業後の2005年、本場の欧州に拠点を置く日本のプロチームと契約した。

しかし、13年に移籍したイタリアの強豪チームで挫折を味わう。「自分の準備不足だった」。言葉の壁でチームメートと意思疎通できず、レースに呼ばれない。チームを辞めて日本に帰国し、うつ状態と診断された。

症状は徐々に良くなったものの、競技活動は休止し「選手としては終わった」と感じていた佐野さん。そんな佐野さんに「もう一度走らないか」と声をかけたのが、かつてのチームメートで栃木県の「那須ブラーゼン」で監督をしていた清水良行さん(37)だった。

清水さんは「彼にはここで終わってほしくない思いがあった」と振り返る。14年にブラーゼンに加わった佐野さんは、同年6月に岩手県で開かれた全日本選手権で優勝し、復活を遂げた。

レバンテフジ静岡は、自転車メーカーの「ミヤタサイクル」(川崎市)がスポンサーとなり発足した。今年4月から国内最高峰の「Jプロツアー」に参戦する。他の選手7人はいずれも10~20代で、うち2人は初めてプロのレースを走る。

佐野さんは彼らに自分の経験を伝え、成長してほしいと願う。「どうすれば上に行けるのかを僕の失敗から考えてくれたら」と語った。〔共同〕

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