米、同盟国の通信も解読 戦争時に対イランで活用

2020/2/13 3:31
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【ワシントン=共同】米紙ワシントン・ポスト電子版は11日、1960年代から各国の公電を解読してきた米中央情報局(CIA)が同盟国もスパイ活動の標的にしていたと報じた。日本政府もCIAなどが秘密裏に所有していた会社の暗号機を購入したとされ、標的になっていた可能性がある。暗号機は対イランの情報収集でも活用された。

米中央情報局(CIA)=ロイター

この会社はスイスの暗号機製造会社「クリプトAG」。米国と西ドイツが共同で買収したが、東西統一後の93年にドイツは離脱した。

同紙によると、米国と西ドイツには見解の相違もあり、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のイタリアやギリシャ、トルコ、スペインも標的にする米国に西ドイツの情報機関は非常に驚いたという。一方、米国は暗号機販売による利益の追求に夢中な西ドイツを懸念、機密情報の収集が目的だと強調していた。

ドイツ政府報道官は12日の記者会見で「政府として情報機関の活動に関するコメントは差し控える」と述べた。

米国はドイツ離脱後、暗号機販売で得た利益で第2、第3の会社を買収し、暗号分野の秘密企業を増やしている。

クリプトAGの暗号機を用いた情報収集例として、同紙は80年代のイラン・イラク戦争時、米国がイラン側の通信1万9千件を解読した事例を紹介。CIA文書によると、イラン側の通信の「80~90%は読み取り可能」だった。

疑念を抱いたイラン側は92年、クリプトAGの販売員を拘束、同社は100万ドル(約1億1千万円)を支払い解放に至った。

82年のフォークランド紛争ではアルゼンチン軍の情報を英国に伝達。89年の米国のパナマ侵攻では、バチカン大使館に逃げ込んだノリエガ将軍の所在をバチカンへの通信を解読し突き止めた。

クリプトAGは米国が2018年に売却した後、2社に分割された。同紙によると、うち1社は今月初めに輸出許可が取り消された。スイスメディアによると、スイス当局は捜査に着手。スイス政府は長年、クリプトAGとCIAなどとの関係を把握しており、報道が出る直前に急きょ対処したとみられている。

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