新産業創出・ジブリ整備が柱に 愛知県20年度予算案

2020/2/13 10:00
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愛知県は13日、一般会計の総額で2兆5722億円となる2020年度当初予算案を発表した。前年度比2.4%の増額で、過去最大。新産業創出に向けたスタートアップ支援のほか、観光の目玉となるジブリパークの整備関連費用に重点を置いた。県内企業で人手不足が深刻化するなか、氷河期世代の雇用対策も拡充し、愛知の新たな経済成長につなげる考えだ。

2020年度予算について説明する大村秀章知事(13日、名古屋市)

大村秀章知事は13日の記者会見で「ビッグプロジェクトを着実に進め、愛知のさらなる飛躍に務めたい。そうした思いを込めて『愛知新起動』の予算と申し上げる」と述べた。

スタートアップ支援関連として前年度比3倍となる7億638万円の事業費を盛り込んだ。そのメーンとなるのが22年11月の開業を目指す中核支援支援拠点「ステーションAi(エーアイ)」関連だ。整備事業費として1億8180万円を計上したほか、149億600万円を事業者への将来支払い義務を負う債務負担行為として設定した。

同施設は高層階に宿泊・研修施設、中層階に実験や試作品などを製造できる部屋やオフィス、低層階にレストランなどの商業施設が入る。国内外からスタートアップを呼び込み、県内企業などとの連携も後押しする方針だ。当初は延べ床面積約1万4千平方メートルを想定していたが、名古屋市に敷地の容積率の緩和を要請しており、認められれば3万平方メートル超に拡大する。

名古屋市内の県勤労会館跡地に整備する。PFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式で整備し、2月に事業者の入札を実施する。県は直轄で整備するより約15億円の削減効果があるとしている。

愛・地球博記念公園(長久手市)で22年秋の開業を目指すジブリパーク関連では、整備費として27億5050万円を計上。107億847万円を債務負担行為として設定した。20年度中に「青春の丘」「ジブリの大倉庫」「どんどこ森」の3エリアで工事を始め、23年開業の「もののけの里」「魔女の谷」の2エリアの詳細設計を進める。

周辺環境の整備として、同公園の整備事業費に18億600万円を計上。同公園北口に総合案内センター(仮称)を新たに設け、案内所や休憩所のほか飲食・物販機能を持たせる。西口にある休憩所は案内所を備えた建物に建て替え、公園北口に駐車場を新設する。

観光関連ではほかに、インターネットを活用した観光PRを進める観光デジタルマーケティング推進事業費に3280万円、県内市町村や鉄道・バス・航空機事業者らと連携する観光PR事業に4940万円を新規計上した。観光関連の事業費は19%増の総額73億1435万円となる。

バブル崩壊後の1993年から2004年ごろまでに学校を卒業した「就職氷河期世代」の雇用対策として、関連費用も含めて前年度比70%増の2億5663万円をつけた。経済情勢で不安定な就労を余儀なくされた30代から40代後半向けの就職支援講座や面接会などを開く。

愛知は全国知事会で氷河期世代プロジェクトチームリーダーを務めている。職場への定着支援や県職員としての採用も合わせて実施し、官民一体の支援を進める方針だ。

 愛知県が新産業・観光の拠点整備に動く一方、財政面は厳しさを増している。2020年度は法人2税が前年度比12%減の3258億円となり、県税全体の収入は同1%減の1兆1669億円となる見通し。財源不足から1300億円超の収支不足が発生し、県は基金を取り崩して対応する方針だ。
 法人県民税の税率引き下げや企業収益の減速が響き、法人県民税は前年度比43%減の340億円、法人事業税は6%減の2918億円となる。地方消費税は11%増の2918億円となるが、法人2税の落ち込みをカバーできず、全体税収はマイナスだ。
 歳出面では、医療などに充てる扶助費が5%増の2937億円に膨らむ。社会保障関係や人件費などの義務的経費全体は1%増の1兆2821億円となる見通しだ。県は20年度に発生する1344億円の収支不足への対応で、減債基金や財政調整基金の一部を取り崩す。(小野沢健一)

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