火災倉庫跡地に物流施設 埼玉県三芳町、再活性化に期待

2020/2/12 19:23
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埼玉県三芳町で2017年2月に火災が発生した事務用品通販アスクルの倉庫跡地に、新たな物流施設が完成した。東急不動産が開発を手掛けた「LOGI`Q(ロジック)三芳」で、過去の教訓を生かし火災の再発防止策を重点的に施した。アスクルは東急不動産から賃貸する形で運営する。約200億円を投じた最新施設の稼働で町の再活性化にも期待がかかる。

スプリンクラーは消防ガイドラインで規定された区画以外の場所にも追加で設置した

スプリンクラーは消防ガイドラインで規定された区画以外の場所にも追加で設置した

新物流施設は1月に竣工した。地上3階建てで延べ床面積は約7万1千平方メートル。海外から輸入した事務用品や医療用品など一時的に保管し、全国9カ所にある倉庫に配送する前の仕分けを担う倉庫として今夏から稼働する。そのほか、他社の物流業務を一括受注する「3PL」としての機能も持つ。

17年の火災は13日間にわたって燃え続け、延べ床面積約7万2千平方メートルのうち、約4万5千平方メートルを焼いた。個人向けネット通販「LOHACO(ロハコ)」の東日本地域の唯一の拠点だっただけに、商品の出荷が遅延。18年5月期の業績の下押し要因となった。

一方で地域経済にも大きな影を落とした。所在する三芳町は、固定資産税などの税収減に加え、職を失った町民もおり、雇用にも影響を及ぼした。

今回の再稼働は町の活性化に向けても、プラスとなる。アスクルの吉岡晃社長は今後の稼働状況について「3月以降、順次稼働を始め、将来的には300~400人を雇用したい」と話している。

新物流施設では、安全面に徹底的に配慮。消防ガイドラインで規定された区画以外の場所にも、煙を感知すると作動するスプリンクラーを追加で設置した。17年の火災時には火災報知機とシャッターをつなぐ配線が火災でショートして、シャッターが正常に機能せずに火が広がったとみられることから、耐火ケーブルも採用した。

三芳町は東京から30キロメートル圏内という交通面での利便性を生かして、従来、企業誘致に積極的に取り組む。同施設から2.5キロメートルの関越自動車道三芳スマートインターチェンジ(IC)は、21年度以降、上下線とも出入り口が使える「フルインター化」を目指しており、より利便性も高まりそうだ。

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