モディ政権、揺らぐ支持 首都議会選 インド与党敗退

2020/2/12 17:30
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【ニューデリー=馬場燃】インドでモディ政権の支持が揺らいでいる。11日開票のデリー首都圏議会選(8日投票)で、モディ首相率いる国政与党のインド人民党(BJP)は庶民党に大差で敗れた。背景にはインドで少数派のイスラム教徒を排除する政策への反発に加え、経済低迷への国民の不満がある。改正国籍法を巡るデモも収束の兆しがみえず、モディ政権は試練を迎えている。

モディ首相の国政与党に大差で勝利した庶民党のケジリワル氏=AP

インドは28の州とデリー首都圏などの連邦直轄領にわかれ、各地方議会選は時期をずらしながら5年に一回実施する。デリー議会選は定数70に対し、庶民党が62議席を確保。過半数を狙ったBJPは前回から5議席増の8議席にとどまった。庶民党は前回の5年前に続いて同議会の与党の座を確保した。

庶民党は国税専門官から社会活動家に転身したケジリワル氏が党首を務め、汚職撲滅を掲げて2012年に結党した。公共教育や医療機関の整備に加え、水や電気などの生活インフラを強化して支持を伸ばした。ケジリワル氏は11日に勝利が決まると「デリーの人々が新しい政策を求めている結果だ」と語った。

BJPは2019年5月の国政選挙で定数545に対し、3分の2に迫る353議席を獲得して大勝した。モディ氏は再選を果たし、強固な政治基盤を手に入れたようにみえた。だがデリー議会選で前回のBJPから今回は庶民党に票を投じた30代の女性会社員は「イスラム教徒を排除する政策が社会の混乱を招いている」と指摘する。

インドはヒンズー教徒が国民の8割を占め、イスラム教徒は1割強にとどまる。ヒンズー至上主義を掲げるモディ氏は19年8月にイスラム教徒が多いカシミール地方の自治権を剥奪。同年9月に北東部アッサム州でもイスラム教徒の不法移民を監視する狙いから国民登録の名簿作成を決めた。

同年12月にはイスラム教徒以外の不法移民に国籍を与える改正国籍法も議会で成立した。イスラム教徒排除への批判が一段と強まり、インドでは大規模なデモが続く。

これに呼応する形で、BJPの支持が下がっている。商業都市ムンバイがあるマハラシュトラ州では同年10月の議会選で17議席減らし、地域政党が与党に変わった。モディ氏はこの地域を走る新幹線の導入を計画するが見直しもありうる。BJPは同年12月の東部ジャルカンド州の議会選でも12議席減らし、地域政党に敗北している。

長引く経済低迷も支持が揺らぐ一因だ。インドの成長率は19年7~9月期に4.5%と6四半期連続で下がり、持ち直しの兆しがみえない。20年1月の消費者物価指数は前年同月比7.6%まで上昇し、農村を中心に生活が苦しくなっている。失業率も過去最悪の水準にある。経済低迷に不満を抱える若者がデモに参加する姿も多く、支持の低下を招いている。

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