犯罪死見逃し11件に減少 11年以降、調査法効果か

社会・くらし
2020/2/12 11:37
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警察が病死や自殺として処理した死者が後に殺人事件などの被害者と判明する犯罪死の「見逃し」の発覚は2011~19年の9年間で11件だったことが警察庁のまとめで分かった。うち5件は近畿連続青酸殺人事件で、急激な減少傾向にある。警察庁の有識者研究会が11年に見逃し防止のための新たな死因究明制度の必要性を提言し、後に成立した死因・身元調査法などの効果とみられる。

一方で、6件の中には聞き込みもしないずさんな捜査で事故死として処理したものもあった。犯罪死見逃しは連続殺人など新たな犯罪を生じさせる恐れもあり、警察庁は防止に力を入れている。

警察庁は10年1月、遺体を解剖せずに判断し、後で事件に巻き込まれたことが明らかになる事例が相次いだため、従来の死因究明制度を改善するため有識者研究会を設置して犯罪死の見逃しを初めて集計。1998~10年の13年間は計43件だった。

この中には、06年に発覚した連続児童殺害(秋田県警)、07年発覚の大相撲時津風部屋の力士暴行死(愛知県警)、10年発覚の首都圏連続不審死で最初の事件となった男性殺害(警視庁)などが含まれている。警察庁は当時、見逃しの原因として「死因の判断ミス」と「犯罪性の見落とし」の2つを挙げた。

警察庁の報告を受け、研究会は11年に新たな死因究明制度を提言し、12年には死因究明推進法や、警察署長の判断で遺族の承諾なく解剖できるようにする死因・身元調査法が成立した。

11年以降は、筧千佐子被告(73)=上告中=の近畿連続青酸殺人が5件(大阪3件、兵庫、奈良各1件)で、カプセル入り青酸化合物が使われたことから、警察庁は16年度から毒薬物の痕跡を調べる「毒物検査キット」を全国に配備した。

他は千葉、愛媛各2件、愛知、沖縄各1件。沖縄県警は05年、周囲の聞き込みもせずに遺体の男性を事故死として処理し、後に尼崎連続変死事件で崖から転落死させられていたことが判明、兵庫県警などが13年に立件した。

〔共同〕

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