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さっぽろ雪まつり70万人減、訪日客激減の余波広がる

札幌市で開かれていた第71回さっぽろ雪まつりが11日閉幕し、実行委員会は来場者数が過去最高だった前年(273万人)から約26%減り、202万人だったと発表した。過去10年間で最も少ない水準だ。新型コロナウイルスの感染拡大で、北海道旅行を控える動きが国内外で広がっている。

春節(旧正月)期間を直撃した中国人客の減少に加え、地元札幌市でも小学校や幼稚園で団体見学を見合わせる動きが相次いだ。台湾やタイが堅調だった一方、日韓関係の悪化による直行便の運休や減便で韓国人見学客も少なかった。

主な会場別では大雪像で知られる「大通会場」が157万人、氷の滑り台などファミリー向けの「つどーむ会場」も44万人といずれも約36万人ずつ減った。新千歳空港(千歳市)に直行便が就航した欧州やオーストラリアからの訪日客は一定数見られたが、中国、韓国からの訪日客の大幅減を補えなかった。

新型ウイルスは冬の旅行シーズンを直撃している。日本旅館協会北海道支部連合会がまとめた1月の宿泊実績をみると、北海道内14地区のうち9地区で延べ宿泊数が前年を下回った。1割減った函館・湯の川・松前・江差・八雲地区では「キャンセルよりも、新規予約がほとんどないのが怖い」と影響の長期化を懸念する声が漏れる。

定山渓温泉・小金湯温泉では訪日客の延べ宿泊数が約3割減った。関係者は「1月29~31日の3日間で、訪日客165名の取り消しがあった」と明かす。中国が海外への団体旅行を禁止したのは1月27日で、2月以降はマイナスの余波がさらに拡大しそうだ。

旅行自粛は個人客にも波及している。中国などから訪れる海外富裕層向けに個人旅行を手配する大手旅行会社では、手持ちの取り扱い案件がほぼキャンセルされたという。旅行関係者が恐れていた国内客への連鎖反応も広がっている。

雪まつり期間に全日本空輸(ANA)が新千歳空港(千歳市)で運航した国内線利用者は前年比7%減の約18万4千人。AIRDO(札幌市)の新千歳発着便も同19%減の約2万5千人だった。

JR北海道のまとめによると、主要3線区(東室蘭―苫小牧、札幌―岩見沢、南千歳―トマム)を走る特急列車の雪まつり期間中の輸送実績は14万5000人と23%減。駅の乗降者数も札幌、新千歳空港駅がいずれも1割前後減少しており、移動手段の停滞を裏付ける。

東急百貨店札幌店では1月27日以降、訪日客需要が高い化粧品の免税売上高が前年比1~2割減の低水準で推移する。大きな需要の山を見込んでいた春節も免税売上高は振るわない。大量の訪日客を当て込んでいた産業にとっては負のトレンドが当面続きそうだ。

(山中博文)

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