中国軍機、台湾との中間線越え WHO加盟の動きけん制か
2019年3月以来、蔡政権に圧力の見方

2020/2/10 18:29
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【北京=羽田野主、台北=伊原健作】台湾の国防部(国防省)は10日、中国軍の戦闘機が台湾海峡の中国と台湾の「中間線」を越えたと発表した。中国軍機の台湾側侵入は2019年3月以来。新型コロナウイルスによる肺炎をめぐって台湾が世界保健機関(WHO)への加盟を求める動きを強めており、これをけん制したとの見方がある。

台湾海峡で演習する中国軍機(10日、台湾の国防部提供)

台湾国防部によると、10日午前10時(日本時間同11時)ごろ、中国の戦略爆撃機「轟6」など複数の軍機が台湾本島南側のバシー海峡を抜けて西太平洋に向かい、その後同じルートで中国側に戻った。中間線は中台の実質的な停戦ラインだ。

中国軍は9日に「轟6」や「殲11」戦闘機、駆逐艦などが台湾海峡で演習を実施した。バシー海峡を抜けて台湾本島西側を北上して一周するように回り込み、宮古海峡(沖縄本島―宮古島間)を通って中国側へ戻った。

台湾を担当する中国人民解放軍東部戦区の報道官は9日、中国メディアに「台湾の独立を巡るすべての動きは打ち砕く決心と能力がある」とコメントを出した。「台湾とその付属する島々は中国に属する」と強調した。

中国が圧力を強めているのは台湾がWHOへの加盟を強く求めているためとの見方がある。新型肺炎の拡大で民主進歩党(民進党)の蔡英文(ツァイ・インウェン)政権は「政治的理由で感染防止網に穴を作るべきではない」と訴えている。

日米などから台湾のオブザーバー参加を支持する声が上がり、WHOは2月11~12日に開く専門家会合に台湾の参加を認める決定を下した。これまでは中台が不可分とする「一つの中国」原則を掲げる中国との関係上、台湾は排除されてきた。

中国は国連の専門機関であるWHOへの台湾加盟に一貫して反対してきた。中国と台湾はかつて国連の代表権を巡り激しく争った歴史があり、台湾を国連や国際機関などから排除し孤立させる戦略をとっているためだ。

5月に台湾副総統に就任する頼清徳・前行政院長(首相に相当)が訪米し、2月7日にワシントンでトランプ米大統領らが出席した朝食会に参加したことが中国を刺激したとの見方もある。

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