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アフリカで紛争拡大 首脳会議、抑制へ積極関与協議

21件、経済成長を阻害

【イスタンブール=木寺もも子】アフリカで武力紛争の拡大が深刻になっている。2018年時点で21件と05年の7件から3倍に増えた。9~10日に開かれたアフリカ連合(AU)首脳会議では不安定な治安情勢が経済成長を阻害しているとして、紛争抑制に向けAUが積極的に役割を果たすことを協議した。

ラマポーザ氏は「アフリカ大陸中の紛争解決に注力していく」と表明した(9日、アディスアベバ)=ロイター

9日、エチオピアの首都アディスアベバで開かれたAU首脳会議で20年の議長に就任した南アフリカのラマポーザ大統領は「アフリカ大陸中の紛争解決に注力していく」と表明した。優先順位の高い問題として内戦が続く北アフリカのリビア、南スーダンを挙げた。

地元メディアによると、ラマポーザ氏は首脳会議に先立つ8日、南スーダンの内戦当事者であるキール大統領、反政府勢力の指導者とそれぞれ会談した。

首脳会議に参加した国連のグテレス事務総長は、リビアの停戦・和平協議について「アフリカはこれまで脇に置かれていたが、AUの協力は極めて重要になる」と述べた。従来は欧州やロシアなどが協議を主導してきたが、AUがより中心的な役割を担うべきだとの認識を示した。

衛星放送局アルジャズィーラによると、首脳会議ではAUがリビアに平和維持のための軍隊を駐留させる案も議題に上ったという。

今回の首脳会議で紛争解決がテーマとなったのは、AUの理想と裏腹に紛争が拡大している現状がある。

13年に打ち出した中長期計画の中で、20年までに「紛争のないアフリカ」の実現を掲げた。だが、リビアや南スーダンのほか、中央アフリカ、ソマリアなどでも内戦が続く。西アフリカではイスラム過激派のボコ・ハラムがテロや誘拐を繰り返している。

こうした不安定な治安はアフリカの成長が期待ほど進まない一因となっている。アフリカ開発銀行によると、19年の実質域内総生産(GDP)伸び率は3.4%で、5%に達した過去10年の平均を下回ったもようだ。アジアなどと比べてGDP比の割合が小さい民間投資が課題となっている。

AUは19年、デモ隊への過剰な弾圧を理由にスーダンの加盟資格を停止。軍とデモ隊指導部の協議を仲介したなど、紛争解決で一定の実績を上げた。AU執行機関トップのファキAU委員長は「アフリカによるアフリカの問題への対処」が重要だと強調した。

もっとも55カ国・地域で成り立つAUは機構内に複数の紛争当事国や自国内の反対勢力を弾圧する政府を抱えており、積極関与は簡単ではない。リビア内戦では、19年のAU議長国だったエジプトが当事者の一方である反政府勢力に肩入れしていた。

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