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障害者が活躍できる社会へ 未来見据えたトップ交代
マセソン美季

2020/2/12 18:00
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競技の垣根を越えて戦う「チームパラリンピックジャパン」結成を発表したJPCの河合純一委員長(左)ら(7日)=共同

競技の垣根を越えて戦う「チームパラリンピックジャパン」結成を発表したJPCの河合純一委員長(左)ら(7日)=共同

1月に日本パラリンピック委員会(JPC)の新委員長に就任した河合純一さんは、国際パラリンピック委員会(IPC)の殿堂入りも果たしているパラリンピアンだ。1992年バルセロナ大会から6大会連続出場し、競泳の視覚障害クラスで日本選手史上最多の21個のメダル獲得(うち金メダルが5個)の偉業をなし遂げた。

パラリンピックを盛り上げるため、すでに様々な活動に従事しているが、さらに大きな舞台が用意されたことを同じパラリンピアンとしてうれしく思う。河合さんの言葉には重みと深みがある。パラリンピックの魅力や意義、経験をかみ砕いて説明する表現力に加え、おちゃめな人間性が見え隠れするユニークな発言にぜひ注目してほしい。

河合さんにバトンを引き継いだ前委員長の山脇康さんは、大手海運会社で辣腕を振るったビジネスマンだ。日本のパラスポーツ界にグローバルな風を吹かせただけでなく、誰にも負けないパラリンピックのファンになってくれた。

リオデジャネイロ大会の開会式で、日本選手団の入場時、大はしゃぎしていた姿をテレビで見た人もいるかもしれない。スタジアムでは「ウエーブ」を率先し、国際映像でも「ヤマ・ウエーブ」の愛称で紹介されるほど、山脇さんのパフォーマンスには注目が集まった。

JPC委員長交代は、44歳という若さ、初のアスリート出身で障害当事者の起用という様々な点で思い切った決断との意見も耳にする。だが、「障害者スポーツを通じてインクルーシブな世界を作る」という考えに基づけば、特筆されるものではなく、自然な流れだったと私は思う。IPC理事も務める山脇さんだからこそ、未来を見据えた人事の刷新に踏み込めたのだろう。

パラリンピックを通して、障害のある人たちが競技場以外の場所でも活躍できる社会を作るのがパラリンピック・ムーブメントだ。そこでアスリートや当事者が注目されるのはありがたいことだが、社会のいたるところで、山脇さんのように「ヤマ・ウエーブ」を巻き起こす人も増えてほしい。

マセソン美季
1973年生まれ。大学1年時に交通事故で車いす生活に。98年長野パラリンピックのアイススレッジ・スピードレースで金メダル3個、銀メダル1個を獲得。カナダのアイススレッジホッケー選手と結婚し、カナダ在住。2016年から日本財団パラリンピックサポートセンター勤務。国際パラリンピック委員会(IPC)教育委員も務める。

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