新型肺炎、中国の消費者を直撃 豚肉・野菜が高騰

2020/2/10 17:00
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春節休暇を前にスーパーで冷凍豚肉を選ぶ中国の消費者(1月13日、江蘇省南通市)=ロイター

春節休暇を前にスーパーで冷凍豚肉を選ぶ中国の消費者(1月13日、江蘇省南通市)=ロイター

【北京=原田逸策】新型肺炎の感染拡大が中国の物価を押し上げている。中国国家統計局が10日発表した2020年1月分の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇した。上昇幅は前月より0.9ポイント拡大し、8年3カ月ぶりの高水準となった。春節(旧正月)休暇の要因に新型肺炎の防疫活動による物流停滞が重なった。

CPI上昇率はロイター通信がまとめた事前の市場予想(4.9%)を上回った。前月比でも1.4%上昇し、上昇幅は1.4ポイント拡大した。

1月下旬の春節休暇に家族や親戚にごちそうを振る舞うため、多くの人が肉類など食材を買い込んだ。アフリカ豚熱(ASF)の影響で価格高騰が続く豚肉は前年同月比116%上昇し、上昇幅は前月より19ポイント拡大した。豚肉だけでCPI全体を2.76ポイント押し上げた。

野菜も1月は前年同月に比べ17%値上がりし、上昇幅は6ポイント拡大した。中国の経済官庁、国家発展改革委員会の連維良副主任は3日、「防疫活動で物流に困難をきたし、(湖北省など)一部の地域で野菜が末端の市場まで届かなかった」と語っていた。

1月は医療サービスの価格も2.4%上昇し、上昇幅は前月より0.6ポイント拡大した。新型肺炎の発生源である湖北省の1月のCPIは前年同月比5.5%上昇し、上昇幅は全国を上回った。

新型肺炎の感染の広がりを受けて、一部の省や市が湖北省以外の地域の車両も通行を制限しており、影響は長引く可能性がある。省ごとの独立性が高い中国は物流コストがもともと高い。世界銀行によると国内総生産(GDP)に占める物流コストの比率は、中国が15%と米国や日本の2倍近い。新型肺炎は中国経済が抱えていた「アキレスけん」を直撃している。

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