「気候変動」による難民申請は妥当 国連が初の見解

2020/2/10 12:46
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【ニューヨーク=大島有美子】国連人権理事会が気候変動が難民申請の理由に値するという見解を初めて示した。人権理は国連加盟国の人権状況の改善に取り組む組織。見解に法的な強制力はないが、難民受け入れの国際基準となる。大規模な洪水や台風などの自然災害が後を絶たないなか、「気候変動難民」が今後増える可能性がある。

気候変動による大規模な災害が相次いでいる(18年、パリ)=AP

太平洋の島しょ国、キリバスの男性が2015年、気候変動を理由にニュージーランドに難民申請をして却下され自国に送還されたため、国連人権理に申し立てをしたのがきっかけ。男性は「海面上昇や気候変動による脅威にさらされており、本国送還は人権侵害だ」と訴えていた。

国連人権理はこのほど男性の訴えについては「差し迫った危機にさらされているとは言えない」として退けた。そのうえで「気候変動によって命の危険にさらされた人を本国に送還した場合は人権侵害に当たる可能性がある」として、各国に気候変動を理由とした難民の受け入れを促した。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も、人権理の判断を受け入れると発表した。UNHCRはこれまで、紛争などで自国に住めなくなった人を支援してきた。今回の判断によって、山火事の被害にあった地域の住民や、海抜の低い島国の人も自国を逃れて難民となる可能性が出てくる。

気候変動を背景に、世界各地で大規模な自然災害が発生している。アジアでは日本やラオスなどで豪雨による被害が拡大しているほか、ギリシャや米カリフォルニア州、オーストラリアでは山火事が発生している。国連関係者は「数百万人もの人が気候変動難民になり得る」との見方を示している。

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