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ゴルフの主役、今季も黄金世代 勝「全部勝ちたい」
編集委員 吉良幸雄

2020/2/12 3:00
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国内女子ゴルフの「球春」到来もすぐそこ。ニューヒロイン・渋野日向子(21)ら5人の初優勝者を含め、昨季は7人で計12勝を積み上げた1998年度生まれの「黄金世代」も、3月の沖縄県での開幕戦、ダイキンオーキッド(5~8日、琉球GC)に備え、練習・トレーニングや合宿の真っ最中だ。全英女子オープンでの日本勢42年ぶりのメジャー制覇のほか国内4勝、賞金ランキング2位と大ブレークした渋野を刺激剤として、それぞれ新シーズンへ向けた熱い思いを胸に、体と心を鍛え、技を磨き続けている。

2014年4月のKKT杯バンテリン(熊本県)でツアー史上最年少の15歳で優勝を果たした黄金世代のフロントランナー、勝みなみ(21)も、はやプロ生活4年目を迎える。昨季はパナソニックオープン(千葉県)、中京テレビ・ブリヂストン(愛知県)と2勝(ツアー通算4勝)をマーク。ただ賞金ランクは10位(7644万円)で、9位だった前年より下がった。

黄金世代のフロントランナー、勝は「笑顔で楽しく」が大事と話す=共同

黄金世代のフロントランナー、勝は「笑顔で楽しく」が大事と話す=共同

自己採点は75点。「一番大きな減点は、目標にしていた『笑顔で楽しく』が半分くらいしかできなかった」から。夏場には4戦連続予選落ちもあり「うまくいかないときに、どう楽しむかが目標だったけれど……。ゴルフが楽しくて仕事にしたのに、7、8月は苦しくて、楽しむことを忘れていた。ジュニアのときは、いいときも悪いときも楽しかった。その気持ちが大事」と振り返る。なぜミスをしたのか原因がわからないままボギー、ダブルボギー。ゴルフが空回りし、思い悩んだ。

筋力トレーニングの成果だろう。平均飛距離は245.76ヤード(11位)から249.6ヤード(9位)に伸びた一方で、フェアウエーキープ率は59.56%(81位)と精度を欠いた。昨年10月からトレーナーと相談し、柔軟性のある体作りに努めている。「飛距離より安定性。背中の筋肉が固まりやすいので、ガチガチを改善したい。背中が硬いとけがをしやすいので、けがをしない体に」。体を柔らかくするため、ヨガも取り入れ、自宅でもエクササイズをしているという。

技術面では、ボールを上げて寄せるアプローチを特訓。「転がしは結構うまくなったので、砲台グリーンのときに上げるアプローチを」。母・久美さんとの2週間の米ハワイ合宿から沖縄へ。常々口にするように、「出る試合は全部勝ちたい。世界一愛されるプロになりたい」と無邪気な笑顔で話した。

勝は夏場にスランプに陥ったが、リゾートトラスト(5~6月、静岡)で初優勝を飾った原英莉花(20)は、後半戦で苦戦した。9月の日本女子プロ・コニカミノルタ杯(兵庫県)から最終戦まで12試合で予選落ちが5回、トップ10入りは一度もない。「思うように試合を運べない時期が長く、苦しみながらゴルフをした。気持ちと体のコンディションを整えることが大事」

昨年の日本ゴルフトーナメント振興協会の新人賞を河本、稲見萌寧とともに受賞した原英(右から2人目)=共同

昨年の日本ゴルフトーナメント振興協会の新人賞を河本、稲見萌寧とともに受賞した原英(右から2人目)=共同

賞金ランクは38位から14位にランクアップしたものの、18年も終盤7試合で4回予選落ちしているだけに「毎シーズン(大事な)秋に崩れたらしょうがない」と反省する。尾崎将司のまな弟子は、平均飛距離253.33ヤード(4位)というパワフルなロングヒッターだが、3月初めから11月末まで9カ月に及ぶ長丁場を乗り切る体力が足りないことを痛感させられた。

弱点のアプローチ、パットもそうだが、オフのトレーニングではパワーの源である下半身を鍛えることも課題だ。「お尻を強く、ねじりができる体をつくる」。有酸素運動でスタミナ強化も図る。「まずは2勝目。年間を通して波が少なく、上位で戦えるように」。2月15日が21歳の誕生日。大器のさらなる飛躍が楽しみだ。

一方、開幕から2戦連続2位と好調な畑岡奈紗(21)ら、米ツアー組の戦いはすでに始まっている。昨年11月の最終予選会を9位で突破、待望の米ツアー参戦を果たした河本結(21)はデビュー戦のゲインブリッジLPGA(米フロリダ州)で8位に入り注目を集めた。前週のISPSハンダ・ビック・オープン(オーストラリア)は予選落ちしたが、新天地でまずは順調なスタートを切った。

河本は米ツアーのデビュー戦で8位に入り注目を集めた=共同

河本は米ツアーのデビュー戦で8位に入り注目を集めた=共同

日本ツアーでは3月のアクサ(宮崎県)で初優勝。賞金ランクは黄金世代では渋野に次ぐ6位と奮闘したが、初V後は2位2回、3位3回と2勝目に手が届かずじまい。12月の表彰式「LPGAアワード」では「悔しい、悔しいと思っている間に(最終戦の)リコー杯。あっという間。くよくよしている暇はない」と話していた。

日本以上に競争が厳しい米ツアーで生き残るためには、小技が課題だと認識。「ショートゲームの練習に時間を費やして、伸ばしていかないと」。畑岡や渋野の背中を追い「(同世代の)一人が勝つと自分もできると思う。刺激になる」と目を輝かせる。切れのいいショットを武器に、昨季のイーグル数は1位(10個)。勝ち気な性格と攻撃的なゴルフはプロとして魅力たっぷり。日本体育大在学中で「何年かかっても卒業したい。勉強も頑張りたい」。国内戦は、ダイキンオーキッドから前年覇者として臨むアクサまで、4週連続で出場を予定。米ツアーを経験し、どんなプレーを見せてくれるだろうか。

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