中村哲さんのインタビュー6万字公開

文化往来
2020/2/12 2:00
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「私は現場人間なので、現場で働いてる時が一番幸せで健康なんです」「まず食えるようにしなくては(中略)国の回復はない」

インタビューに答える中村哲さん(ロッキング・オン提供)

インタビューに答える中村哲さん(ロッキング・オン提供)

アフガニスタンで長年医療や灌漑(かんがい)事業に取り組み、昨年12月に同地で武装集団に銃撃され73歳で亡くなった医師、中村哲さん。彼が生前、雑誌のインタビューで語った6万字に及ぶ内容を一挙に掲載する特設サイトが12日、ウェブ上に公開される。戦争や干ばつに苦しむアフガンの人々の「真に欲するもの」を国際社会が十分に理解せず、効果的な支援が進まない状況について、冷静かつ鋭く指摘する語り口が印象的だ。

インタビューは雑誌「SIGHT」(休刊、ロッキング・オン)に2002年から16年にかけ、計9回掲載された。非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の現地代表を務めた中村さんは、ときに銃砲撃を受ける危険の中でも撤収しない理由を、正義や国際貢献といった抽象的な言葉ではなく「(アフガンが)緑豊かな国になっていくのを見るのは非常にうれしい。この喜びのために自分は生まれてきた」と実体験に引きつけて語る。反対に米国が主導した軍事介入は「現状認識がなく、ゲーム感覚で決められてしまった」と批判的だ。人道支援の現状についても、何より食料の自給を願うアフガン人の思いを大半の組織がすくい取らず「患者を放っておいて、医者が離れたところで治療について会議している」ようなものだと指摘している。

インタビューに聞き手として関わった音楽評論家の渋谷陽一氏は、特設サイト公開の理由を「実践に裏付けられた中村さんの言葉は具体的かつ論理的で、他人を引きつけるパワーも持っている。それをできるだけ多くの人に伝えたい」と述べる。サイトのURLはhttp://www.rockinon.co.jp/sight/nakamura-tetsu/。

(郷原信之)

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