ユニゾ買収、従業員側が価格引き上げ 米ファンドに対抗

不動産会社ユニゾホールディングスは9日、従業員による買収(エンプロイー・バイアウト=EBO)における1株あたりの買い付け価格を600円引き上げ、5700円にすると発表した。米投資ファンドのブラックストーン・グループなどがEBOの買い付け価格より高い価格を提示し、不成立となる可能性が高かった。価格を引き上げて成立を目指す。
ユニゾを巡っては従業員と米投資ファンド、ローンスターが共同で設立した買収目的会社のチトセア投資のほか、ブラックストーン、米フォートレス・インベストメント・グループによる買収合戦が続いている。
チトセア投資は1株5100円でTOB(株式公開買い付け)を実施している。買い付け価格を引き上げると同時に、14日までとしていた買い付け期間を28日まで延長する。ユニゾHD株の7日終値は5570円。
チトセア投資が1株5100円で買い付けをしている1月に、ブラックストーンは経営陣の賛同を条件に1株5600円でTOBを実施すると発表。すでにユニゾへのTOBを実施中だったフォートレスもその後、買い付け価格を1株4100円から5200円に引き上げている。
チトセア投資はファンド2社の提案を上回る1株5700円に引き上げることでEBOの成立を目指す。新たな提案を受けてユニゾは各買収案を比較し、EBOに引き続き賛同して、応募を推奨することを決めた。フォートレスの提案への反対意見は変更しなかった。
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