新型肺炎、中国5県警戒感強める 航路運休で宿泊客減

2020/2/7 20:32
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新型コロナウイルスの感染が国内で増えつつある中、中国5県の自治体や企業などは警戒感を強めている。5県と中国を往復する航空路線では運休や減便が相次ぎ、観光やビジネスにも影響が出始めている。一部の製造業からは中国で生産する部品の調達が遅れる可能性を指摘する声もあり、影響が長引くことへの懸念が広がっている。

広島空港の出発ロビーではマスクを着用する人が多い(7日、広島県三原市)

広島県や岡山県などは今週までに対応策などを話し合う緊急の会議を開いた。感染症指定医療機関の受け入れ態勢や連絡手段などについて議論。島根県では経営への影響を懸念する県内中小企業向けの特別相談窓口を設置するなど、各県で対策を練っている。

広島大大学院の坂口剛正教授(ウイルス学)は「感染者1人が他にウイルスをうつす人数は2人程度とされ、感染力が強いわけではない」と話す。広島県の健康対策課は「インフルエンザなど他の感染症を含め、受け入れや防疫の訓練は日常的にやっている」と話し、感染が疑われる場合でも保健所などへの相談は落ち着いてしてほしいと呼びかけている。

1月下旬から中国からの海外団体旅行が禁止となったこともあり、航空路線では運休や減便の動きが目立つ。通常時は週7回往復する広島―上海線は2月で18便、3月で15便欠航することが決まっている。週4往復の広島―大連線も2、3月は便数が半減する見通しだ。

1月11日に就航したばかりの米子―上海線は2月11日から3月17日までの運休が決まった。鳥取県内の観光関係者には「感染のリスクを考えるとやむを得ない」とのあきらめも広がる。

同路線の運休は山陰地方の観光にも影響を与えている。松江市によると、1月10日から2月2日までに松江市内の宿泊施設で201人の中国人観光客が宿泊をキャンセルした。損害額は約209万円に達した。先行きを不安視する事業者も出ている。

企業も対応を急ぐ。マツダでは春節(旧正月)休暇の延長に伴い、中国での生産が一時的に止まっている。3つの生産拠点も再開の時期は具体的に決まっていない。同国から日本などへの部品供給が滞っても、一定の在庫があることから直ちに生産への支障は出ないという。ただ影響が長引いた場合には「別の地域から部品供給できないかを検討する」(藤本哲也常務執行役員)。

取引先を支援しようと広島銀行や広島信用金庫などは新型コロナウイルスに関連する特別融資の取り扱いを開始。感染の拡大で直接・間接的に影響を受けた法人や個人事業主が対象で、資金繰りや返済条件の変更といった相談に乗っている。

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