JR東海、リニア水問題で「期限設けず補償」
JR東海は7日、リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事による大井川の水資源への影響を巡り、「影響が生じた場合、期限を設けずに補償する」と明言した。静岡県議会最大会派の自民改革会議が主催する勉強会での説明資料に記した。JR東海が補償について文書で無期限をうたったのは初めて。
勉強会には自民改革会議の議員約30人が出席。自民からの要請を受け、JR東海の宇野護副社長や担当者らが参加し、リニア問題への方針を説明した。県議会議員で、自民静岡県連の野崎正蔵政調会長は、補償を無期限と明示したことについて「細かな補償内容は住民が納得するかどうかだが、不安解消に向けた姿勢として一定の評価ができる」と話した。
説明資料では「トンネル工事が原因で水資源の利用に影響が生じた場合は、工事完了から何年内というような期限を設けずに補償します」と明記する。補償内容のほか、因果関係をどう証明するか、水資源に実害が出た場合をどう定義するかなどは今後の協議で詰めるとみられる。
リニア協議を巡っては、トンネル湧水の県外流出や地下水への影響について話し合うため、国交省が新たに有識者会議を設置する方針が決まっている。一方で静岡県は10日、JR東海との協議の場としてきた環境保全連絡会議を年明け以来初めて開催する。発生土置き場の問題などを話し合う予定で、JR東海は無期限補償についても改めて提案するとみられる。