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勤務中の死亡事故の賠償金、会社にも請求できるか 最高裁で弁論

仕事中に人身事故を起こして被害者側に損害賠償をした従業員は、勤務先に応分の負担を求めることができるのか――。こうした論点が争われた訴訟で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は7日、当事者双方の意見を聴く弁論を開いた。判決は28日に言い渡される。会社と従業員の責任分担のあり方を巡り、最高裁がどのような判断を示すかが注目される。

原告の女性は、トラック運転手として運送大手の福山通運に勤務していた2010年、業務中に死亡事故を起こし、被害者遺族に約1500万円の賠償をした。訴訟では同社に賠償金と同額の支払いを求めている。

民法715条は、被用者(従業員など)が仕事で第三者に与えた損害について、使用者(会社など)も賠償責任を負うと規定。従業員を使用して事業で利益を得ている以上、そこから生じた損害についても責任を負うべきだとの考え方に基づくものだ。

会社が被害者に賠償した後で従業員に負担を求めることはできるが、今回は逆の構図。こうした場合に従業員の請求が認められるかについて、これまで最高裁が判断を示したことはない。

一審・大阪地裁は、従業員が自身の負担分以上に賠償をした場合、会社側に費用を請求できると判断。「従業員の請求を認めなければ損害の公平な分担が妨げられる」として、女性の勤務態度などから双方の負担割合を算出し、会社に約830万円の支払いを命じた。

一方、二審・大阪高裁は、民法の規定は従業員の資力不足で賠償が難しい場合に備え、会社にも責任を負わせる趣旨だと指摘。本来、賠償義務を負うのは従業員であり、会社への請求は認められないと結論づけた。

この日の弁論で、原告側は「会社と従業員、どちらが先に賠償したかによって負担割合が異なるのは不自然で不合理だ」と主張。会社側は上告棄却を求めているとみられる。最高裁は二審判決を変更する際に慣例として弁論を開くため、何らかの形で高裁の判断を見直す可能性がある。

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