中部地銀4~12月、貸し出し苦戦鮮明 証券売却で補う

2020/2/7 19:30
保存
共有
印刷
その他

中部3県に本店を置く地銀8行の2019年4~12月期決算が7日、出そろった。本業のもうけを示す実質業務純益は、システム関連費用がかさんだ三重銀行を除く7行が前年同期より増えた。国債など有価証券の売却益や手数料収入が増えた。ただ、限られた資金需要を奪い合うなかで、主力の貸出業務は貸出金の利息収入が減少傾向にあり、厳しさがより鮮明になっている。

地銀は企業や個人への貸し出しに伴う利息収入が収益の柱だ。ただ、貸出金利息などを含む資金利益は8行のうち6行で減少。歴史的な低金利や同業との競争などで「貸出金利は下げ止まっていない」(大垣共立銀行)。貸出業務が低調な中でも増益を確保した理由のひとつが有価証券の売却益だ。

19年4~12月期は日本国債や外国債券などの売買による利益が8行合計で64億円だった。前年同期は13億円の赤字で、損益は大幅に改善した。主力の貸出業務の苦戦を有価証券の運用で補う構図が鮮明だった。

各行が力を入れる手数料ビジネスは中京銀行と三重銀を除く6行で増加した。ビジネスマッチングや私募債の発行業務など企業向けの手数料が伸びた。手数料収入は堅調に増えつつあるが、資金利益と並ぶ収益源になるのはまだ道半ばだ。

融資先の倒産や経営悪化などに備える与信関連費用は8行合計で80億円と、前年同期より9割強増えた。一部の取引先の経営を慎重にみる動きが出つつあるが、「与信関連費用の水準は計画の範囲内」(十六銀行)との見方が目立つ。

ただ、与信関連費用の増加につながる可能性があるのが新型コロナウイルスの感染拡大だ。サプライチェーンの混乱などが広がれば、中部企業の経営にも打撃となる。愛知銀行は1月下旬から全ての取引先を対象に影響の聞き取り調査を開始。現時点で大きな影響はないが「今後の動向を注視する」(同行)。十六銀なども顧客の影響についての情報収集を急ぐ。

(池田将)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]