森村新会社社長「燃料電池、25年度に家庭向けに」

2020/2/7 19:30
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日本特殊陶業やTOTOなど森村グループ4社が共同出資する新会社「森村SOFCテクノロジー」が2019年12月、発足した。環境負荷が低い新型燃料電池「固体酸化物形燃料電池」(SOFC)の事業化を目指す。佐藤美邦社長に事業の戦略を聞いた。

佐藤美邦 森村SOFCテクノロジー社長

2017年から野外で実証実験を続けている(大阪府和泉市)

――事業化のめどを教えてください。

「まず、計画通りに20年度に商業施設向けの製品を出荷する。業務用で実績を重ね、25年度には家庭向けに参入する。給湯システムなどでの利用を見込んでいる」

「給湯システムはガスを使い湯を沸かす製品が依然として主流だ。SOFCは空気中の酸素と燃料になる水素を反応させて発電する。高効率なだけでなく発電時に二酸化炭素(CO2)を出さない。様々な業界で環境配慮が進むなか、燃料電池が取り入れられる余地は大きい」

――京セラなどもSOFCを開発しています。

「当社が開発しているSOFCは平板型と呼ばれる製品で、円柱型の製品と比較してコンパクトなシステムを作ることができる。場所が限られる家庭向けで優位に立てる」

――事業化に向けて課題はどこにありますか。

「まずは耐久性の向上だ。設置場所や用途によって使用される環境は異なる。想定しない環境でも長期間安定した性能を保てるよう改良を続けている」

「当社のSOFCは市場実績がない。ただ、日本特殊陶業は20年にわたり同製品の研究を続けており、日立造船に電池を供給している。同社は17年から実際の使用環境に近い場所で実証実験しており、一定の安全性・信頼性を確認している」

――SOFC事業は森村グループ初の共同事業です。社員の連携などで課題はありますか。

「多様な出自の社員であっても、『顧客第1』『独立自営』といった森村グループとしての精神は共有している。社員間のコミュニケーションを活性化させるため、本社では好きな座席を選ぶことができる『フリーアドレス制』を導入している」

「経済産業省の推計によると、家庭用燃料電池は30年までに国内だけで延べ530万台になるとみられている。家庭用に参入し順調に業績を拡大させていけば森村グループの新しい顔になることも夢ではない」

(聞き手は植田寛之)

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