/

神奈川県の20年度予算案、風水害対策・五輪に注力

神奈川県は7日、2020年度予算案を発表した。県は「かながわ気候非常事態宣言」を公表し、近年の異常気象を背景とした風水害被害などへの対策を強化する。東京五輪・パラリンピックに向けた機運醸成にも取り組む。黒岩祐治知事は同日の記者会見で「(国連が掲げる持続可能な開発目標)SDGs最先進県として、新たなステージに挑戦する決意を込めた」と述べた。

黒岩知事は「SDGs最先進県として、新たなステージに挑戦する決意を込めた」と述べた(7日、県庁)

一般会計は1兆9035億円だった。19年度との比較は19年4月の知事選の影響で単純比較できないが、知事選後の肉付け予算に比べると3%増えた。

目玉は風水害対策だ。19年に複数発生した大型台風による被害を教訓として、気候非常事態宣言には「災害に強いまちづくりなどの『適応策』と温室効果ガスの削減を図る『緩和策』などに『オール神奈川』で取り組む」と明記。氾濫などの危険性がある河川に堤防を作ったり、堆積土砂を撤去したりする。

ソフト面では、学校教育やセミナーなどで使う気候変動をテーマとした新しい学習教材を作成する。気候非常事態宣言は欧米やカナダ、オーストラリアなど海外の都市で広がっており、国内では長野県などが打ち出している。黒岩知事は「県民の命を守る持続可能な神奈川を実現する」と強調した。

五輪・パラリンピック関連では、子どもに観戦機会を設けるためにチケット代を一部負担する。機運醸成に向けて街を彩る「シティドレッシング」を実施するほか、五輪で江の島(神奈川県藤沢市)が会場となるセーリング競技の体験会を開く。9~12歳の子どもを対象に、運動能力テストなどを通じて未来のアスリートを早期発掘する事業も盛り込んだ。

感染者が増えているコロナウイルス対策については予算計上しなかったが、今後の状況をみて補正予算編成を検討する。

県税収入は1兆2131億円と消費増税などで2%増えるが、法人税収入は10%減の2852億円と大きく落ち込む。「米中貿易摩擦の影響で企業収益が軒並み減益予想のため」(財政課)という。

予算編成に当たっては、19年9月に当初予算編成方針を通知した時点で700億円の財源不足があった。減収補填債を2年ぶりに発行したり、財政調整基金を取り崩したりするほか、事業の見直しなどもして収支を合わせた。

■産業振興、企業誘致や新興企業支援を強化

米中貿易摩擦などにより神奈川県内経済の先行きに不透明感が強まるなか、県は2020年度予算案で経済活性化策にも力点を置いた。県は2019年11月から新しい企業立地施策を始めており、県内に工場をつくる場合に投資額の一部を補助する費用などとして約27億円を予算計上した。企業誘致を強化して経済成長につなげる。

近年、横浜市内などで盛り上がってきたスタートアップ企業への支援も加速する。起業やその後の成長を促すため、県の支援拠点で起業準備者がスタートアップの実務に触れる機会を提供したり、大企業との事業連携を模索する協議会をつくったりする。

農林水産業関連では、相模湾に大規模な養殖施設を誘致するための検討協議会をつくる。漁業に従事する若者が減っており、対策として「漁業就業促進センター(仮称)」を開設する。漁業未経験者などに研修を実施し、就業前の不安を取り除いたり、漁業の魅力を伝えたりして就業者を増やす方針だ。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン