米政権、無罪テコに反転攻勢 バイデン氏息子を調査

2020/2/7 14:13
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【ワシントン=中村亮】米議会上院の弾劾裁判でトランプ大統領に無罪評決が出たことを受けて、政権と与党・共和党が反転攻勢に出た。トランプ氏は6日に野党・民主党を1時間以上にわたり批判し、共和党はウクライナ疑惑で注目を集めたバイデン前副大統領に関する不正疑惑の調査を加速させた。ウクライナ疑惑は女性からの支持に逆風との見方もあるが、トランプ氏は再選に向け支持固めを狙う。

トランプ米大統領はバイデン前副大統領の息子がウクライナで不正に利益を稼いだ疑いがあると主張してきた(6日、ワシントン)=AP

「民主党はとてつもない憎悪に満ちている」。トランプ氏は6日、ホワイトハウスで「祝賀会」と銘打った場でこう強調した。民主党がロシアやウクライナ疑惑をでっち上げたと主張し、その理由は「(トランプ氏に)政治的打撃を与えるためだ」と断じた。民主党のペロシ下院議長を名指しして「ひどい人だ」と糾弾し、民主党との対決姿勢を強めた。

共和党の重鎮チャック・グラスリー上院議員らは5日、大統領警護隊(シークレットサービス)に宛てた書簡で、バイデン氏が副大統領を務めた時期に息子ハンター氏がウクライナや中国ビジネスで不正に利益を稼いだ疑いを調べるとして、同氏の国内外の移動履歴を提出するよう求めた。米メディアによると、ハンター氏の資金取引の記録開示も財務省に求め、情報提供がすでに始まった。

バイデン氏は11月の大統領選に向けた民主党の指名候補争いの初戦である3日の中西部アイオワ州の党員集会で劣勢となった。ただ全米を対象にした主要世論調査では首位に立ち、今後巻き返せばトランプ氏にとって強敵になりうる。共和党はハンター氏の調査を進めてバイデン氏のイメージ悪化を狙うとみられる。

元共和党全国委員会幹部のダグラス・ヘイ氏は無罪評決について「トランプ氏が完全無実を客観的に主張する口実となり再選に追い風だ」とみる。トランプ氏が疑惑調査が不公平だと主張し続けたことで、支持基盤である保守層がトランプ氏の擁護でさらに結束するようになったと指摘する。

米調査会社ギャラップによると、トランプ氏の支持率は1月後半に49%。2019年9月の弾劾調査開始時から9ポイント上がり、大統領就任後で最高を記録した。トランプ氏と同じようにオバマ元大統領が再選のかかる12年の大統領選を10カ月後に控えた時期の支持率(45%)を上回る。

一方で共和党の政治団体首脳は「女性や高学歴層からの支持に悪影響があるかもしれない」と懸念する。米キニピアック大の1月下旬の世論調査によるとトランプ氏の罷免支持率は女性に限ると55%で男性(39%)よりも高く、学歴別では大学卒の有権者ほど罷免を求める傾向にある。同首脳は「好調な経済を前面に出してトランプ氏の言動は嫌いだが政策は支持するという有権者を掘り起こす必要がある」と語る。

事実上のトランプ氏の人気投票となった18年秋の中間選挙では共和党が下院の多数派を失った。都市郊外に住む女性や大学卒層が民主党候補を支持したことが主因とみられている。一般的に民主党は都市部、共和党は地方に強く、その間の都市郊外の動向が大統領選の行方も左右するとの見方がある。弾劾裁判で女性や大学卒層がトランプ氏に対する反感を強めれば再選にはマイナスに働きそうだ。

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