ミタル、19年は 4年ぶり最終赤字 鋼材価格下落で

2020/2/7 1:04
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【フランクフルト=深尾幸生】鉄鋼世界最大手の欧州アルセロール・ミタルが6日発表した2019年12月期通期の決算は、最終損益が24億5400万ドル(約2690億円)の赤字だった。前の年は51億4900万ドルの黒字。通期の最終赤字は15年以来4年ぶりだ。平均鋼材価格が10%下がったことが響いた。20年の鉄鋼需要は増加を見込むが、中国は新型肺炎で成長が鈍化するとみている。

ミタルは「鉄冷え」以来4年ぶりに最終赤字=ロイター

ラクシュミ・ミタル最高経営責任者(CEO)は電話会見で「19年は非常に厳しい年だった。世界経済の成長鈍化や自動車の弱い需要など逆風に直面した」と述べた。10~12月期も最終赤字で、四半期ベースでは3期連続。鋼材価格下落で利幅が圧縮されたのに加え、将来の価格見通しを下げたのに伴い固定資産の減損損失を計上した。

同社は20年の世界の鋼材需要について、19年比1~2%増と予測する。19年は1.1%増だった。ミタルCEOは「市場には複数の改善の兆しがある。在庫水準は低く、欧州や米国、ブラジルで19年末に価格が反転した」と述べた。

ただ、中国は19年の3.2%増に対して0~1%増に鈍化するとみる。コロナウイルスによる新型肺炎の影響を考慮した。同社は負の影響は短期間にとどまり、1~3月の影響の多くはその後の期間で挽回されるとみている。

19年通期の売上高は7%減の706億1500万ドル。粗鋼生産量は8980万トンと3%減った。指標としているEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は49%減の51億9500万ドルだった。

鉄鋼事業の地域別EBITDAは北米と欧州など全ての主要地域で前の年を下回った。北米は67%減、欧州は70%減だった。一方、19年後半に欧州で実施した減産は終了。その効果で在庫が適正化しつつあるという。

イタリアの鉄鋼大手イルバの買収をめぐる問題については「伊政府との交渉は進展している」とした。ミタルはイルバ買収で一度は合意し、運営も始めていたが、伊政府が環境対策への免責条項を廃止したことを理由に19年11月に買収撤回を表明していた。

12月20日に政府側と政府の出資を含む事業計画の交渉を続けることで合意。今週もミタル幹部がコンテ首相と協議したことを明らかにした。

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