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中国人の消費「減った」8割 新型肺炎、関西観光直撃

関西の小売飲食51企業・店舗調査

マスク姿の人が目立つ大阪市の黒門市場(4日)

新型肺炎の感染拡大に伴う中国人観光客の減少が関西の観光業に影を落としている。日本経済新聞社が関西の小売や飲食など51の企業・店舗に聞き取り調査を実施したところ、約8割の40件で2020年春節期間中の中国人売上高が前年同期に比べ減少していた。減少幅が「2割以上」と回答したのは全体の25%の13件だった。事態が長期化すれば関西の観光業への影響は必至とみられる。

中国人売上高が「減少」と回答した40企業・店舗に減少幅を質問したところ、「2割未満」との回答が最も多く22件だった。「2割以上~5割未満」が12件、「5割以上~8割未満」が1件、「減少幅は未回答」が5件だった。

「増えた」と回答した4件は周辺に新たな集客施設が開業したなどの特殊要因が中心だった。「変わらない」と回答した7件の大半がもともと中国人客が少なく、新型肺炎の影響を受けにくかった。

ドラッグストア大手、ツルハホールディングスが大阪市の心斎橋・難波エリアで展開する9店舗では中国人売上高が5割減少した。一時はマスクなどの特需もあったが、担当者は「他の商品の売り上げは伸び悩む。新型肺炎が早く収まるのを願うしかない」と話す。

近畿運輸局によると、18年の関西への入国者数に占める中国人の割合は30%と全国(27%)に比べ若干高い。今回の調査でも4割の企業・店舗が訪日客売上高(または免税売上高)に占める中国人客の割合が「5割以上」と回答。中国人客に依存していた構図が浮かび上がった。中国人客の減少が経営に「一定」あるいは「おおいに」影響すると答えた企業・店舗も7割弱に上った。

関西の観光業も以前から手を打ってはいた。4割が顧客の多様化に向けた施策を実施していたと回答。大阪・千日前道具屋筋商店街の包丁専門店「堺一文字光秀」では昨年、試し切りができるブースを設置し、国内客の呼び込みに力を入れてきた。近鉄百貨店もフィリピンの旅行博に参加するなど東南アジア向けのPRを進めてきた。

ただ、こうした施策で今回の中国人客減少を「補えた」と回答したのは2件にとどまった。「ここから日本人を取り込むといっても、何をしていいのか分からない」(大阪・黒門市場の鮮魚店ふな定)と妙案を見いだせない店舗もあり、存在感の大きい中国人客に頼る状況から脱却するのは簡単ではなさそうだ。

また、「日本人客まで感染を恐れて減っている」(大阪・天神橋筋商店街の日新電器天神橋店)といった声も聞かれた。

関西では18年に台風被災で関西国際空港が一時閉鎖するなど訪日客急減の危機があったが、早期に回復。今回は感染症の問題だけに事態の収束時期が読めず、長期化すれば関西の観光業への影響は必至だ。

ただ、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「東南アジア方面からの観光客も着実に増えている。悲観しすぎる必要はなく、時間がかかっても少しずつ顧客の多様化を進めていくべきだ」と指摘する。

 調査の概要 2月初旬に、中国人訪日観光客が利用する関西2府4県の51企業・店舗にヒアリングした。業種の内訳は小売り25、飲食12、宿泊6、その他8。

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