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コンビニ改革、コスト分担が焦点に 経産省が報告書

経産省の報告書はコンビニ業界の構造問題を指摘した

人手不足に揺れるコンビニエンスストアの改革で、フランチャイズチェーン(FC)加盟店と本部のコスト配分や販売価格決定のあり方が焦点になってきた。経済産業省は6日まとめた報告書で食品廃棄コストの大部分を加盟店が負う今の仕組みなどを念頭に、環境変化に応じて利益やコストの配分を勘案するよう指摘。売れ残った商品の見切り販売などで店の創意工夫を引き出すことにも期待を示した。

大手コンビニのFC契約では本部が加盟店の売り上げから商品原価を差し引いた粗利益の一定の割合をロイヤルティー(経営指導料)として受け取る。アルバイトの人件費や、売れ残った弁当など食料廃棄に伴う損失の大部分は店が負担する。

経産省の報告書はこうした構造を背景に、人手不足で人件費が高騰して加盟店へのしわ寄せが強まり、大量の食品廃棄も店の負担になった点を指摘。「環境変化に応じた利益配分やコスト分担のあり方を勘案すべきでは」と提起した。

大手コンビニ各社はすでに利益配分の見直しを進めている。セブン―イレブン・ジャパンは約2万1千店のうち収益力の低い約7千店を対象に3月からロイヤルティーを月額20万円減らす。これらにより加盟店1店当たりの利益は年間平均で約50万円改善する一方、本部の利益は年間約100億円減少すると見込む。

ファミリーマートも3月から、24時間営業をしている店舗への支援金を増額するなどし、加盟店支援に年間100億円を充てるとしている。ローソンも利益の少ない店舗を対象に支援金を出すことを検討している。

ミニストップは「互いにコストを応分に負担する利益分配モデルにする」として事業モデル自体を見直す考えで、2021年度からの導入を目指して詳細を詰めている。

ただ弁当などの廃棄コストを見直す動きはまだ乏しい。加盟店側が廃棄コストの多くを負う今の仕組みは、店にふんだんに商品を並べて売り上げを増やしたい本部との間で対立の構図をはらみがちだ。値引き販売を認めず、食品廃棄につながりやすい仕組みは環境への配慮からも時代に合わなくなっている。

報告書は本部が見切り販売などで加盟店の創意工夫を促すことにも期待を示した。コンビニは定価販売が基本で価格面で加盟店の裁量は小さい。店側には消費期限が迫った食品などの値下げ販売を望む声も強く、1日の中で需要に応じて機動的に価格を変動させる「ダイナミックプライシング」の導入なども一つの焦点になる可能性がある。

経産省は本部と加盟店のトラブルが目立つことを踏まえ、第三者が間に入って解決策を探る「裁判外紛争解決手続き(ADR)」の枠組みの検討も促した。裁判のような強制力はないが、短期間、低コストで解決策を出せる可能性がある。

経産省の報告書は「コンビニの持続的発展は、個別企業の経営問題という範囲を超えた課題だ」と指摘した。コンビニは24時間営業と住宅地に張り巡らせた店舗網を武器に、公共料金収納や宅配便の取り次ぎといった生活に密着したサービスのインフラになっている。ビジネスモデルが崩れると国民生活や経済への影響が大きく、それが経産省が見過ごすことができない理由でもある。

セブンイレブンは6日、報告書を受けて「加盟店と持続可能な新たなモデルを検討していく」とのコメントを出した。進化を続けてきたコンビニの環境変化への対応力が問われている。

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