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三菱重工が20年ぶり赤字転落 税引き前、航空機で減損

三菱重工業の航空機開発が新たな壁にぶつかっている。同社は6日、2020年3月期の連結税引き前損益(国際会計基準)の見通しを100億円の赤字(前期は1826億円の黒字)とした。赤字は20年ぶり。ジェット旅客機「三菱スペースジェット」で減損損失が発生し、開発費も増える。傘下の三菱航空機(愛知県豊山町)の経営陣刷新も決めた。累計の開発費は1兆円にのぼる見通しだが、軌道に乗る道筋はまだ見えてこない。

「心配をおかけして申し訳なく思う」。同日の記者会見で泉沢清次社長は陳謝した。スペースジェットは飛行に必要な型式証明(TC)の取得を進めていたが、設計変更などのトラブルが相次ぎ、開発が難航している。6度目の納入延期で、当初は13年だった納入時期は21年度以降となる。

開発を担う三菱航空機の水谷久和社長が4月1日付で会長に退き、三菱重工の丹羽高興常務執行役員が社長に就任する人事も発表した。5年で3度目となる頻度で社長を交代し、開発体制の立て直しを急ぐ。

税引き前損益(日本基準では経常損益)が赤字になるのは、海外プラント事業の不振で経常損失に陥った00年3月期以来。赤字の主因は航空機の資産の減損(4~12月期で778億円)と開発費の増加だ。開発費は2700億円と従来計画から1900億円膨らむ。

小口正範副社長は会見で「今期末で(貸借対照表から)スペースジェット関連の資産はなくなる」と話した。多額の投資をしてきたが、収益を生まず、前期まででも約6千億円の資産を損失計上していた。構想中の北米向けの70席クラスの分も加えれば、開発費は累計で1兆円を超える可能性もある。

今期の最終損益は1000億円の黒字の見通し。航空機関連の損失が大きくなった分、将来利益が出た場合の税負担は減少する見通し。税負担の軽減を先取りして資産として計上する「繰り延べ税金資産」を大幅に積み増し、利益が発生する。

300機ある受注はさらなるキャンセルにつながりかねない。泉沢社長は「完成機で事業の幅を広げたい方針は変わっていない」と話したが、今回の遅れで投資回収のハードルはさらに高まっている。

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