燃料プール冷却、43分間停止 伊方原発の電源一時喪失
(更新)

四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)が一時電源を喪失したトラブルで、3号機の核燃料プールの冷却が43分間停止していたことが6日、四国電への取材で分かった。プールの水温は電源喪失前の33.0度から34.1度に上昇した。四国電によると、規定の上限温度は65度で「安全性に問題はない」とした。
3号機のプールでは、プルサーマル発電で使用したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を含む1504体が保管されていた。このうち157体は1月中旬に取り出されたばかりで、原子炉停止後に出し続ける「崩壊熱」が他の燃料に比べ大きいという。
四国電によると、1月25日午後3時44分、外部からの電源が遮断され、原発内の電源が一時喪失するトラブルが発生。約10秒後に、非常用ディーゼル発電機が起動するなどして復旧した。その後、手順に従い、原子炉の冷却設備などが優先して順次起動し、発電所員が各機器の起動状況を目視で確認した上で、午後4時27分に燃料プールのポンプの電源を手動で起動した。
同日夜に松山市で開いた会見で43分間の冷却停止に触れなかった理由について四国電は6日、取材に「会見では停電の原因や状況の説明が中心となった」と述べ、質問があれば答える準備はしていたとした。〔共同〕