ベネズエラ野党指導者、政権奪取の展望開けず
トランプ大統領と会談、外交圧力頼み

2020/2/6 17:30
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【サンパウロ=外山尚之】ベネズエラの野党指導者グアイド国会議長は5日、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談した。欧米外遊の総仕上げで、独裁体制を確立したマドゥロ政権の打倒を呼びかけた。野党陣営の弱体化が続き、欧米の支援で巻き返したい考えだが、具体策はなく政権奪取への展望は描けない。

ホワイトハウスで会談に向かうトランプ米大統領(左)とグアイド国会議長(5日、ワシントン)

トランプ氏は4日に実施した一般教書演説にグアイド氏を招待し、「とても勇敢な男で全てのベネズエラ人の希望と夢、願望を運んでいる」と称賛。弾劾裁判があった5日にはホワイトハウスで会談した。11月の米大統領選を前に左派ベネズエラ政府と左傾化する米民主党を重ね、「社会主義は国を破壊する」というメッセージを米国民に送った形だ。

一方、2019年1月に暫定大統領への就任を宣言し、約60カ国からの支持を取り付けたグアイド氏だが、足元では勢いを失い、マドゥロ政権に追い詰められつつある。

米国の経済制裁でベネズエラの石油産業は打撃を受けたものの、ロシアや中国の支えもあり、マドゥロ政権の資金源を断つには至っていない。政権を支える軍幹部はグアイド氏の呼びかけに応じず、政権の弾圧で反政府デモも下火だ。

マドゥロ政権は1月、議会から主要野党を閉め出し、親与党の国会議長を選出したと一方的に宣言。大統領に続き、2人の国会議長が自らの正統性を主張する事態となっている。

グアイド氏が頼れるのは欧米からの外交圧力のみとなっている。出国禁止令を破って秘密裏にコロンビアに出国したグアイド氏は欧州に渡り、ジョンソン英首相やマクロン仏大統領、メルケル独首相と相次ぎ会談。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でも演説し、窮状を訴えた。

もっとも、マドゥロ政権への包囲網が実現するかは不透明だ。米国は既にベネズエラ石油産業への制裁という切り札を切っており、打てる手は乏しい。マクロン氏やメルケル氏はグアイド氏への支持を表明したものの、具体策には踏み込まなかった。欧州連合(EU)も一枚岩ではなく、実効性のある制裁を発動するためのハードルは高い。

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