腕時計最大手スウォッチ、展示会を中止 新型ウイルスで

2020/2/6 5:18
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スウォッチグループの経営環境は厳しさを増している=ロイター

スウォッチグループの経営環境は厳しさを増している=ロイター

【ジュネーブ=細川倫太郎】腕時計世界最大手スウォッチグループ(スイス)は、2月下旬からスイスの最大都市チューリヒで開催予定だった展示会の中止を決めた。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、来場者の安全確保が難しいと判断した。香港のデモも含め主要市場のアジアでの事業の不透明感が増しており、スイスの時計メーカーの収益にさらに打撃になりそうだ。

展示会は小売業者とメディア向けに2月28~3月2日、3月4~6日の日程で準備を進めていた。オメガやブレゲ、ハリー・ウィンストンなど傘下の高級時計メーカーの新作を披露し、新型コロナウイルスが発生した中国からも多くのバイヤーらが訪れる予定だった。スウォッチは一大イベントと位置付けていた。

ただ、新型コロナウイルスの猛威が止まらず、欧州でも感染者が出ていることから中止せざるを得なくなった。4月下旬からスイスで開く高級時計の2大見本市「ウォッチズ&ワンダーズ」と「バーゼルワールド」の主催団体も開催を見送るか否か慎重に見極めているもようだ。いずれも中国を中心にアジアから多くの来場者が訪れ、時計各社にとっては自社商品をアピールする重要な場になっている。

スウォッチの2019年12月期決算は、営業利益が10億2300万スイスフラン(約1150億円)と前の期から11%減った。デモの影響で香港の販売が低迷したほか、通貨スイスフランの上昇が響いた。香港メディアによると、同社は香港での人員削減に着手した。

スイス時計メーカーにとって香港は最大市場になっている。スイス時計協会によると、19年の香港向け輸出金額は26億5900万スイスフランと前年に比べ約1割減った。主要市場である日本(20%増)や米国(9%増)とは対照的だ。新型コロナウイルスによる肺炎患者が急増する中国は3番目に大きい輸出先で、20年の経営環境はさらに厳しさが増しそうだ。

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