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ロシア北極油田開発にインド参画へ、軍事協力も強化

【モスクワ=小川知世】ロシアの政府系石油最大手ロスネフチは5日、同社が主導する北極圏の油田開発にインドが参画することで基本合意したと発表した。両国は石油の売買契約を締結し、ロシア製のミサイル防衛システムの導入を2021年末までに始める方針でも一致した。エネルギーと軍事の両面で印ロが接近し、米国が反発を強めることが予想される。

ロシアのプーチン大統領(右)とインドのモディ首相は2025年までに貿易額を300億ドルに増やすことで合意した(2019年9月、ロシア極東ウラジオストク)=ロイター

ロスネフチによると、セチン社長が訪問先のニューデリーでインドのプラダン石油天然ガス相と会談し、北極圏の資源開発計画「ボストーク・オイル」への印企業の参画で基本合意した。両国企業が参加する作業部会を立ち上げて詳細を詰める。ロシア南部の港から20年に最大200万トンの石油を輸出する契約もインド国営石油インディアン・オイルと結んだ。

ボストークはロシアのプーチン大統領の側近、セチン氏が主導する一大事業だ。東シベリアにある複数の油田を開発し、生産量は30年までにロシア全体の2割近くに当たる年1億トンに達する可能性がある。ロシアは米中に次ぐ石油消費国インドを最大の供給先と見込む。投資額は10兆円を超えるとされ、日本企業にも出資を要請している。

軍事協力の進展も示した。ロシア連邦軍事技術協力庁の幹部は5日、インドで開かれた防衛産業展示会で、ミサイル防衛システム「S400」の同国への納入見通しを確認したとタス通信などに明らかにした。米国が導入に懸念を示し、制裁もちらつかせて撤回に圧力をかけるなか、計画通り21年末までに納入や技術研修を始める構えだ。

同幹部はインド向けのロシア製自動小銃「カラシニコフ」の共同生産を20年に始める用意があるとも表明した。ロシア製戦車の現地生産の許可も28年まで延長し、約460両が作られる予定という。インドからの兵器の受注額が「過去3年で150億ドル(約1兆6500億円)を超えた」と述べ、連携を誇示した。

ロシアは欧米の対ロ制裁が長期化するなか、中国に続いてインドとの関係の強化を図る。新型肺炎の流行で、最大の貿易相手国である中国の経済減速に懸念が強まっており、インドとの取引拡大を急いでバランスを取る思惑もありそうだ。

ロシアの統計によると、印ロの貿易額は18年に前年比17%増の約110億ドルだった。プーチン氏とインドのモディ首相は19年9月の会談で、貿易額を25年までに300億ドルに増やすことで合意した。両国がさらに接近を強めれば、米国の警戒は必至で、米印の溝が深まることも考えられる。

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