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新型肺炎の病院、武漢で1万床に 「父の命もたない」

【大連=渡辺伸】新型コロナウイルスによる肺炎で、中国政府は5日、湖北省武漢市で2つ目の病院を新設した。ベッド数は合計で2600床増え、約1万床まで拡大したが、病床不足が改善されるかは不透明だ。患者からは「発熱しているのに診察を受けられない。死を待つしかないのか」との声も上がる。

約10日間の突貫工事で「雷神山医院」(1600床)を新設した。2日にも「火神山医院」(1千床)が完成したばかりだった。2003年、重症急性呼吸器症候群(SARS)流行中に北京市が7日間で建設した病院をモデルにした。

武漢では既存施設を含め計約1万床となり、全国から派遣する医療従事者も1万人規模に達した。だが患者数の急増には追いついていない。

「このままだと父の命がもたない」。武漢市に住む女性、丁さんは5日、日本経済新聞のメール取材にこう訴えた。4日までにおばとおじが相次ぎ死亡。見舞いに行った父も39度の熱を出し、3日に新型肺炎と診断されたが、病床が足りず自宅待機となっている。「一刻も早く父のベッドを用意してほしいのに」

武漢市のフリーター女性の周さん(38)は母と夫、子供2人を含めた家族4人に発熱やせきの症状が出た。だが検査キットが足りず、新型肺炎かどうか診察を受けられていない。「いったい誰が命を救ってくれるのか」

中国の国家衛生当局によると、5日午前0時(日本時間同1時)時点で武漢市の感染者数は8351人で、前日から1967人増えた。武漢市当局によると3日夜時点で、新型肺炎の患者が入れる同市の病院は28カ所、計8199床だが、実際に使用しているのは8279床にのぼる。廊下やロビーに簡易ベッドを置く病院があるためだ。

国家衛生当局によると、中国本土の死者数は5日時点で490人で、そのうち武漢市は362人。感染者の死亡率をみると中国本土は2.0%だが、武漢市は4.3%。武漢市が高い理由について、国家衛生当局は4日、多くの病院に患者が分散し「管理が難しい」と医療体制の不備を認めた。重症患者に必要な酸素吸入器などの医療設備も足りていない。

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