伊藤忠、純利益7%増 4~12月 非資源が好調
伊藤忠商事が5日発表した2019年4~12月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比7%増の4266億円だった。同期間として5年連続で過去最高となった。食料など非資源分野が国内を中心に堅調だったほか、鉄鉱石価格の上昇で金属事業も伸びた。
非資源分野が業績をけん引した。食料部門の純利益は18%増の409億円だった。国内を中心に食品卸が堅調だったほか、持ち分法適用会社だったプリマハムの連結子会社化に伴い、保有株の再評価益を計上した。
住生活部門の利益は580億円と前年同期比で12%伸びた。北米向けの建材事業で採算が改善したほか、物流子会社の伊藤忠ロジスティクスの利益が伸びた。
資源分野では鉄鉱石価格の上昇で金属部門の純利益が845億円と5割増えた。前年同期に計上した権益の売却益の反動で資源分野全体の純利益の伸びは小幅だった。
20年3月期通期の純利益は前期比ほぼ横ばいの5000億円とする予想を据え置いた。通期の純利益予想に対する19年4~12月期の進捗率は85%と高いが、「国内の繊維や食品事業が減速傾向で、先行きを慎重に見ている」(鉢村剛最高財務責任者)という。