/

民主、政権が格差助長と批判 トランプ氏は増税に反論

【ワシントン=河浪武史】米民主党の大統領選候補指名争いは、若手や左派の躍進で政策論争が熱を帯びそうだ。前インディアナ州サウスベンド市長のピート・ブティジェッジ氏や左派のバーニー・サンダース上院議員は格差問題や温暖化対策をトランプ政権が軽視していると追及した。一方のトランプ米大統領は4日の一般教書演説で、増税を掲げる民主党を「社会主義者」と批判した。

「1億4000万人もの米国民が低資産や貧困の状態にある。こんなことは止めなければならない」。3日のアイオワ州党員集会で躍進したブティジェッジ氏は、選挙戦で格差是正策を並べた。低所得者向けに200万戸の住宅を提供すると公約し、1兆ドル規模のインフラ投資も提案。1.5兆ドルの残高がある学生ローンも減免策を掲げ、若者層らの支持を集めた。

「民主社会主義者」を自称するサンダース氏も「経済成長の果実を得るのは大富豪だけ。米国では医療費を払えず年50万人が破産する。こんな国は米国だけだ」と批判。民間主体の医療保険制度を解体して新たに連邦政府による「国民皆保険」を創設すると公約する。

米国は過去最長の景気拡大局面にあるが、恩恵は富裕層に集中する。上位1%の富裕層が米国全体の所得の2割を占め、経済格差は戦後最悪だ。人口の1割が無保険とされ、医療費は日本の3倍。医療や教育のコスト急騰は若者の将来不安に火をつけた。

トランプ政権は国際枠組み「パリ協定」から離脱を表明したが、カリフォルニア州の山火事など自然災害や異常気象が相次ぐ。世論調査では「気候変動は米国の深刻な脅威」とみる有権者が6割近い。サンダース氏らは温暖化ガスの排出ゼロを公約に掲げる。

トランプ氏も4日の一般教書演説で「処方箋薬の価格を劇的に引き下げる超党派法の実現を要求する」と訴えた。ムニューシン財務長官らに中間層を対象にした追加減税案の策定も指示し、医療費の引き下げと所得減税が2期目の政権公約だ。

ただ、4日の演説では具体的な政策はほとんど掲げず、4年前の「中国製品に45%の関税を課す」「法人税率を15%に引き下げる」といった大胆な公約に比べておとなしい。トランプ氏は民主候補の国民皆保険について「何百万人もの不法移民に、米国の税金でつくった保険制度をタダ乗りされ、国家を破綻に追い込むだろう」と批判した。

英国の重税への反発が独立運動につながった米国では、増税は嫌われがちだ。国民皆保険には年3兆ドルもの財源が必要で、サンダース氏の富裕層・企業増税は10年で14兆ドル規模。ブティジェッジ氏も法人税や個人所得税の税率上げを公言し、増税規模は同5兆ドルとも試算される。

民主党候補の施策はインフラ投資やローン減免など「大盤振る舞い」が目立つ。トランプ氏との過激公約の競い合いとなり、現実路線が遠のくリスクもある。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン