新型肺炎、3700人が最大2週間船内に 10人陽性で

2020/2/5 12:33
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乗船者から採取した検体とみられる箱を運ぶ男性(5日午前、横浜港)=共同

乗船者から採取した検体とみられる箱を運ぶ男性(5日午前、横浜港)=共同

10人の新型コロナウイルス感染が判明したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。5日朝に感染者が下船して救急搬送され、停泊中の横浜港周辺は緊迫感に包まれた。船に残る約3700人の乗員・乗客は最大2週間、船内に閉じ込められるという異例の事態で、楽しい船旅が暗転した。対岸から乗客の家族らが不安そうに海上の船を見守った。

厚生労働省によると、5日午前までに乗客ら全員の聞き取りや問診の作業を終えた。乗員1045人、乗客2666人で、乗客のうち日本人は1281人。

横浜・大黒ふ頭沖に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内で作業する検疫官とみられる担当者ら(4日未明)=乗客提供・共同

横浜・大黒ふ頭沖に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内で作業する検疫官とみられる担当者ら(4日未明)=乗客提供・共同

検査対象は273人。症状を訴えた120人のほか、香港の男性と同じバスツアーに参加した人(34人)、船内で症状のあった人と同室だった人など(119人)計153人を濃厚接触者として検査した。

陽性となった10人のうち、2人は寄港先の鹿児島で香港の男性と同じバスツアーに参加していたが、8人はバスツアーに参加しておらず、香港の男性との濃厚接触は確認されていないという。

陽性となった10人は50代が4人、60代が4人、70代と80代が各1人。このうち50代女性、60代女性、60代男性の3人が日本人という。

同省はウイルスの国内侵入を防げると判断するまでは臨船検疫を続けると説明。検疫中の一時的な停泊との位置づけで、検疫法上の停留や隔離とは異なる。船は整備上の理由で一度外洋に出た後、再び戻る予定。

加藤勝信厚生労働相は「乗客らのうち高齢者や基礎疾患のある人には、(症状がなくても)ウイルス検査をやる必要があると考えている」と指摘。同省は今後、専門家らと協議して、追加検査の対象を判断する。

全員分の検査結果が判明するのには数日かかる見通し。船内の乗客には感染者が確認されたことなど状況を説明したという。船内にとどまる乗客らには極力自室にとどまってもらい、レストランや船内イベントなどで集まることは自粛を要請する。

神奈川県は5日、危機管理対策会議を開いた。黒岩祐治知事は「非常に高い確率で陽性が出たと思わざるを得ない」としたうえで「国や市町村、医療機関などと情報を的確に共有しながら機敏に対応する」と述べた。

感染者は県内4カ所の指定医療機関のいずれかに搬送する。どの医療機関に搬送するかは明らかにしていない。患者数が増えて対応しきれない場合は、近隣の都県に受け入れを要請する可能性もあるという。

横浜沖に停泊中のクルーズ船には海上保安庁の巡視艇が横付けされた。5日午前には白い防護服姿の人たちが両船を慌ただしく出入りする中、感染者とみられる人らが巡視艇に乗り込んだ。横浜港では救急車が待機し、到着した感染者らが医療機関に運ばれていった。

対岸の大黒ふ頭(横浜市)では居合わせた釣り人や乗客の家族らが不安そうな表情で船の様子を見守った。

釣りに訪れていた東京都江戸川区のパート女性(41)は「大型船舶が海上に止まり続けていることはこれまでなく、いつもの釣りの風景と違う。感染の広がりを改めて実感し、怖い思いがした」と不安そうに話した。

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