新潟・南魚沼で少雪、五輪の暑さ対策ピンチ

2020/2/5 11:11
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世界屈指の豪雪地帯、新潟県南魚沼市の雪を東京五輪のサッカー会場などの熱中症対策に役立てる計画の実施が危ぶまれている。今冬の記録的な少雪により同市内の貯雪場の積雪量は4日時点で「わずか数センチ」。新潟地方気象台によると、高温少雪の傾向は続く見込みで、同市は山間部から雪を集めることを検討している。

「この季節に、こんなに雪がないのは記憶がない」。標高250メートルのスキー場のそばにある貯雪場。南魚沼市U&Iときめき課の関睦・創造主幹が1月下旬、あらわになった地肌を見ながらため息をついた。

記録的な少雪で地肌が見える状態の貯雪場に立つ新潟県南魚沼市の関睦・創造主幹(1月24日)=共同

記録的な少雪で地肌が見える状態の貯雪場に立つ新潟県南魚沼市の関睦・創造主幹(1月24日)=共同

貯雪場は「雪国の魅力を発信しよう」と2年前に市が開設。広さ約2500平方メートルで、1600トンの雪をためることができ、首都圏のイベントなどに雪を送り出してきた。

しかし、今冬の記録的な少雪で、市内10カ所のスキー場のうち2カ所が滑走できない状態になっている。例年1メートル以上の雪で覆われる市中心部も雪がほとんどなく、毎年開催している「雪まつり」も会場設営が困難などの理由で中止が決まった。「雪ならばどれだけ降っても歓迎ですが、雨はもう要りません」。関主幹が低く垂れ込めた雲をうらめしそうに見上げた。

さいたま市によると、熱中症対策に雪を活用するアイデアは、2018年11月に同市で開かれた地方創生に関する会議で、参加していた南魚沼市の関係者から提案を受けた。昨年8月にはさいたま市内で実証実験を実施し、市民の反応は「冷たくてありがたい」「夏場、雪に触れられるのは面白い」と上々で手応えを感じていた。

五輪本番では、サッカー会場の埼玉スタジアムと、バスケットボール会場のさいたまスーパーアリーナ周辺で、雪で冷ました風を送って仮設テント内を冷やす「雪クーラー」を1~2カ所設置。雪を小さな袋に詰めた「スノーパック」を1日に約1万個配る予定だ。

この計画に必要となる雪は約100トン以上。貯雪場で確保できる見通しが立たないため、南魚沼市は標高440メートルの三国川ダム周辺で雪を集める計画の検討を始めた。「雪国の魅力を世界に発信する絶好の機会。まとまった雪が降ることを祈るしかありません」。市の担当者一同の願いだ。

雪を利用した暑さ対策の事業費は約2800万円。さいたま市と南魚沼市で折半することになっている。さいたま市の担当者は「例年と様子が違うとは感じているが、降雪のピークはこれからだと考えている。南魚沼市との連絡を密にしていきたい」と話している。

〔共同〕

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