トランプ大統領、経済政策の実績強調 一般教書演説

2020/2/5 5:12 (2020/2/5 12:53更新)
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は4日夜(日本時間5日午前)、議会で今後1年の米国の内政と外交の施政方針を包括的に示す一般教書演説を実施した。11月の大統領選をにらみ、雇用創出や貿易協定の締結など経済政策の実績を挙げて「公約を守った」と誇示した。医療や移民で野党・民主党のリベラルな政策を批判し、対決姿勢を鮮明にした。

大統領就任後3回目の一般教書演説で、テーマは「偉大な米国の復活」。民主では大統領選の候補指名争いが3日に始まっており、演説は再選に向けた事実上の選挙公約の意味合いも持つ。議会上院でウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判が開かれ、与野党対立が深まる中での異例の演説となった。

トランプ氏は「大統領選以来、700万人の雇用を生んだ。失業率は半世紀ぶりの低水準にある」と指摘した上で、支持基盤の労働者層を念頭に「これはブルーカラー好況だ」と自画自賛した。「歴史的な減税や記録的な規制緩和を進めた」と就任後3年の成果を次々と振り返った。

4日、米連邦議事堂で一般教書演説をするトランプ大統領(手前、ワシントン)=AP

4日、米連邦議事堂で一般教書演説をするトランプ大統領(手前、ワシントン)=AP

通商政策では1月に中国と署名した「第1段階合意」を巡り「米国製品に新しい巨大市場が開かれる」と力説した。北米自由貿易協定(NAFTA)見直しを実現したことを挙げ「過去(の大統領)と違って私は公約を守る」と強調した。新協定で「自動車産業に10万人の高賃金の雇用を生む」とも主張した。

医療や移民政策では、大統領選で民主党の左派候補が提唱する国民皆保険構想を念頭に「民間医療保険を完全に廃止しようとしている人がいる」と警告。「社会主義に米国のヘルスケアを破壊させない」と呼びかけた。感染が広がっている新型コロナウイルス対策に関しては「中国政府と協力して取り組んでいる」と説明した。

メキシコとの「国境の壁」建設を推進し「前例のない努力をなし遂げた」とも強調。不法移民の流入が減ったとアピールした。民主の地盤であるカリフォルニア州など不法移民に寛容な都市部をやり玉に挙げたうえで「米国は外国人犯罪者への聖域にしてはいけない」と訴えた。

民主が支持する銃規制強化に改めて反対を唱えたほか、妊娠後期の中絶を禁じる法案を成立させるよう議会に要請し、自身の支持基盤の保守層に配慮した。

外交・安保政策では、イラン革命防衛隊の司令官や、過激派組織「イスラム国」指導者を殺害した実績を強調した。アフガニスタンからの米軍撤収にも改めて意欲を示した。北朝鮮の非核化問題には言及しなかった。

大統領選の年は与野党対立が先鋭化し、政策の法制化は難しいため、大統領権限が大きい通商や外交への政策実行に傾斜する可能性がある。政府閉鎖で実施がずれ込んだ19年の前回演説はインフラ投資などで「団結」を訴えたが、歩み寄りの機運は高まらなかった。

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