経団連幹部、リニア整備「1日も早く進むよう期待」

中部経済界のトップと経団連が意見交換する東海地域経済懇談会が4日、名古屋市内で開かれた。経団連の古賀信行・審議員会議長(野村ホールディングス会長)は懇談会後、記者会見に応じ、整備が滞っているリニア中央新幹線について「1日も早く関係者協議が成立し、進み始めることを期待している」と語った。
古賀氏は「リニアは東京・名古屋・大阪の3つの地域が一体化し、経済効果が大きく、非常に重要なプロジェクトだ」と指摘。2027年の東京―名古屋間の開業に期待を示した。
静岡県内でのリニア工事の遅れについて、山内隆司副会長(大成建設会長)は会合の中で「海外でも関心の高い重要なプロジェクトが滞っている事態は、経団連としても決して座視できない」と強調。「国家百年の大計のため、関係者は計画推進にまい進すべきだ」と述べた。
リニアの南アルプストンネル静岡工区を巡っては、静岡県の川勝平太知事が大井川の流量や生態系に影響を及ぼすとして、工事に着手できていない。JR東海は「このままでは27年の開業時期に影響を与えかねない」と懸念しており、国土交通省が提案した有識者会議の設置が決まっている。
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